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「異種格闘技戦」制す 作家の今村翔吾が山田風太郎賞

「少年のころの自分がこの賞をとった作家を見たらかっこいいと思っただろう。そんな憧れの対象に自分がなれたことをうれしく思う」。作家の今村翔吾が歴史小説「じんかん」(講談社)で第11回山田風太郎賞(角川文化振興財団主催)を受賞、喜びを語った。

同作は織田信長に2度も謀反を企てるなど裏切り者と伝えられる戦国武将、松永久秀(弾正)について、史料を大胆に解釈し直して新たな人物像を描き出している。

ミステリー、時代、SFなどジャンルを問わず過去1年間で最も「面白い」と評価された小説に贈られるのが山田風太郎賞だ。今回も、ミステリーはもちろん純文学が対象の三島由紀夫賞の候補になった小説も候補作になった。「異種格闘技戦という感じ。歴史時代小説ジャンルの代表にしてもらったことだけでもうれしかった」と振り返る。

今年3月には「八本目の槍(やり)」(新潮社)で吉川英治文学新人賞を受賞、「じんかん」は直木賞の候補にもなった。「受賞できるかどうかにはタイミングや運もある。ただ『立場が人を作る』と言われるが、作家の場合は賞がその立場に相当する。山田風太郎の名前は大きく、大きな責任を感じる」と話す。

小説の執筆だけでなく、テレビの情報番組でコメンテーターを務め、SNSで動画を配信するなど「発信」にも積極的だ。最近は時代小説作家の育成事業にもかかわっている。「本分は作家だが、ダンスインストラクターとして子供を教えていた経験から、夢を持つ若者を応援したい気持ちが強い。人を育てることは責任を伴うが、どんな高級品やおいしい食べ物よりも幸福をもたらす中毒性がある」と片笑んだ。

(近藤佳宜)

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