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米大統領選、長期戦視野に 舌戦なお続く

トランプ氏「最高裁に行く」バイデン氏「勝利の軌道に」

(更新)
4日、演説するトランプ氏(写真左)とバイデン氏=AP

【ワシントン=永沢毅】米政治史上でまれにみる大接戦となった3日の大統領選は4日夕になっても当選者が決まらず、結果確定は長引きそうだ。トランプ大統領と民主党候補のバイデン前副大統領は、通常なら健闘をたたえ合う投票後の演説でも舌戦を演じた。

開票は米東部時間3日午後6時(日本時間4日午前8時)過ぎから一部の州で始まったが、接戦を受けて多くの激戦州で結果の判明が遅れた。「地滑り的な勝利はなくなった」。米CNNは民主党が期待していたバイデン氏の大勝シナリオは後退したと早々に報じた。

今回は期日前投票が1億票を超える空前の規模だった。集計が長引く一部の激戦州では当初トランプ氏が優位で、トランプ氏は4日未明のホワイトハウスでの演説で「我々はこの選挙に勝とうとしており、率直に言えば勝った」と勝利宣言し、集計打ち切りを求めた。

先に集計される投票所でトランプ票が多かったためだが、中西部ウィスコンシンと同ミシガン両州では4日朝にかけてバイデン氏が逆転した。序盤のトランプ優位が消えていく現象で、米メディアは共和党のシンボルカラーの赤にちなみ「赤い蜃気楼(レッドミラージュ)」と呼んだ。

バイデン票が多いとされる郵便投票をトランプ氏は敵視する。「投票所が閉まったら、もはや投票はできない!」。4日未明にツイッターにこう書き込み、投票日後も郵便投票を受け付けるのは認めない姿勢を示した。一部の州は投票日から最大10日後に届いた郵便投票も有効票としている。トランプ氏は4日未明の演説でペンシルベニア州は「大差で勝っている」と主張し、同氏の陣営はウィスコンシンの再集計を求める構えを示した。

トランプ氏は演説で郵便投票を「不正だ」と訴え「最高裁判所に行くだろう」と法廷闘争に持ち込む考えを示した。空席が生まれた連邦最高裁判所判事の指名を急ぎ、自らに有利になるよう多数派を保守派で固めたのはその布石だ。

トランプ氏の選挙陣営は4日、中西部ミシガン州で票の集計所に監視員の立ち入りが十分に認められていないと主張し、同州政府を州裁判所に提訴したと発表した。立ち入りが許可されるまで集計を停止し、これまでの集計分についても検証を求めた。

バイデン氏は反発を強める。同氏の陣営は、トランプ氏が郵便投票を巡る提訴方針を示したことについて声明で「許しがたい」と批判した。バイデン氏は地元の東部デラウェア州で「私たちは勝利の軌道にいる」と支持者に自信を示した。

激戦のウィスコンシン州で郵便票の集計が続く(3日)=ロイター

同氏は4日未明、地元の東部デラウェア州で「票を数えるのは時間がかかる。ペンシルベニアで勝つ」と支持者に自信を示した。ペンシルベニア州のウルフ知事(民主党)は記者会見で「いかなる外部の影響も受けない」とトランプ氏をけん制した。

法廷闘争になれば、選挙結果の確定は大幅に遅れる。00年大統領選では共和党のブッシュ候補と民主党のゴア候補がフロリダ州の票の再集計を巡って最高裁で争い、勝敗確定は投開票日から37日後となった。

4日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、終値で今年2月13日以来となる高値を付けた。朝方にはバイデン氏優勢との報道を受けて、混乱回避の見方から一時500円高となった。取引終了前になり激戦州での決着が長期化するとの観測から上げ幅を縮めた。

東京市場の取引時間中に、米ダウ工業株30種平均の先物相場が開票状況に応じ、乱高下した。日本株も上げ幅を縮める場面もあった。

日経平均の終値は前営業日比399円75銭(1.72%)高の2万3695円23銭だった。市場では「予想を超えた激戦となり市場関係者の方向感が定まっていない。決着までの時間が長期化して株価が下落するシナリオも現実味を帯び始めている」(インベスコ・アセット・マネジメントの木下智夫氏)との声もでている。

アメリカ大統領選挙

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