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リコー、一転最終赤字 今期364億円 欧州コロナ再拡大

リコーは4日、2021年3月期の連結最終損益(国際会計基準)が364億円の赤字になりそうだと発表した。従来予想は36億円の黒字だったが、欧州の新型コロナウイルス感染再拡大の影響でオフィスでの印刷量が減り、一転して赤字に転落する。コロナによる減益幅は営業利益ベースで600億円増え、1750億円にのぼる。年間配当は15円に減らす。

同日、オンラインで記者会見した山下良則社長は「欧州の主要都市でロックダウン(都市封鎖)が宣言され、回復度合いを見直した」と説明した。売上高は前期比17%減の1兆6640億円の見通し。従来予想を1160億円下回る。

事務機が主力の「オフィスプリンティング事業」は本体の販売台数のほか、トナー交換など印刷量に比例するアフターサービスが収益を左右する。コロナによる在宅勤務の広がりで印刷量は4~6月に前年同期に比べて3割超減ったが、7~9月は同2割減と回復基調だった。

ところが、10月以降、欧州各国の行動制限で状況が一変した。これまで21年3月末時点の印刷量は英国で10%減、ドイツで5%減まで回復するシナリオを描いていたが、これを英国36%減、ドイツ18%減に見直した。

松石秀隆最高財務責任者(CFO)は「4~5月ほどの落ち込みにはならないが、今後回復の方向に進むとは言い切れない」と話した。

21年3月期の営業損益は490億円の赤字と従来予想を590億円下回る。コロナ禍の影響のほか、米国の人員適正化などの改革費用を208億円計上する。

それぞれ13円を予定していた中間配当と期末配当は7.5円に減らす。11円減配で年間配当は15円とする。

今後はコロナ禍の影響を受けにくい「オフィスサービス事業」を成長させる考えだ。事務機の販売網で電子帳票やCAD(コンピューターによる設計)ソフト、在宅勤務の支援ソフトなどを提供する。同事業は4~9月期も115億円の黒字を確保した。

リコーは21年4月からカンパニー制に移行することも同日発表した。プリンティングとサービスの両事業を「デジタルサービス」に統合し、経営資源をサービスに振り向ける。「OAメーカーから脱皮しデジタルサービス会社への転換を加速する」(山下社長)という。市場からは「直販の営業網で、中小事業所のIT需要を開拓する余地は大きい」(国内証券)との指摘もある。

とはいえ、10%近い営業利益率を稼いできたプリンティング事業を代替する事業に育つには相当な時間がかかる。コロナ禍での出血を抑えながら、販売体制の強化などにどれだけ取り組めるかが焦点となる。

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