バイデン氏、ミシガン州制す トランプ陣営は法廷闘争へ
【ワシントン=永沢毅】米大統領選は投票日から一夜明けた4日も開票を続けた。民主党候補のジョー・バイデン前副大統領(77)が激戦州の中西部ウィスコンシン、ミシガン両州で勝利を確実にし、4年ぶりの政権奪還に大きく前進した。勝敗は東部ペンシルベニア州など残る6州に委ねられた。
再選をめざす共和党の現職、ドナルド・トランプ大統領(74)の陣営は3州で票の集計の停止などを求めて法廷闘争に入り、ウィスコンシンでは再集計を申し立てた。異例の大接戦となった両候補の攻防は最終局面に入りつつある。
大統領選は各州に割り当てられた「選挙人」の獲得を争い、全米538人の過半数270人以上を得た候補が当選する。米メディアによると、米東部時間4日午後11時(日本時間5日午後1時)時点で獲得数はトランプ氏が214人、バイデン氏は253人。
バイデン氏が制したウィスコンシン、ミシガンはいずれもラストベルト(さびた工業地帯)の一角にあり、勝敗のカギを握るとみられていた。ここでの勝利を確実にしたことで、当選に必要な過半数の選挙人の獲得に近づいた。同氏は4日、地元の東部デラウェア州で「票が数え終わったら私たちが勝利している」と政権奪還に自信を表明した。
ウィスコンシンは州法で得票率が1ポイント以内の僅差だった場合、敗北した候補が票の再集計を要求できる。開票率98%の段階でバイデン氏のリードは0.6ポイントで、トランプ氏の陣営は再集計を州政府に要請した。
同じくラストベルトにある東部ペンシルベニア州はトランプ氏が先行したが、郵便投票の開票の進展でバイデン氏が追い上げている。トランプ氏はなお約3ポイント上回る。同州は3日の消印があれば、6日までの郵便投票の到着も有効と認めている。
トランプ氏の陣営はミシガンで開票の差し止めを求めて提訴した。州法で保証されている不正を防ぐための集計作業の監視が認められなかったとの理由だ。ペンシルベニアでは郵便投票の到着期限の短縮などを、南部ジョージア州でも期限後に到着した票は集計しないよう求めて提訴した。
バイデン氏は「全ての票が集計されないといけない」と反発している。両候補は共和党地盤のジョージア、西部アリゾナ、南部ノースカロライナでも接戦を展開している。