日銀総裁「国際金融市場の動向を注視」 米大統領選
日銀の黒田東彦総裁は4日、名古屋市での企業経営者らとの金融経済懇談会後、オンライン方式で記者会見し、米大統領選挙に関し「国際金融市場の動向を注視したい」と述べた。同日の外国為替市場は一時、円が急落するなど神経質な動きだった。黒田総裁は「為替は安定的に推移するのが望ましい」と強調した。
黒田総裁は「米経済は先進国のなかで最も力強く回復している」と指摘。為替動向については「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の反映」を重視するとした。
日銀は大規模な金融緩和を続けている。2%の物価安定目標は実現できていない。4日公表した9月の金融政策決定会合の議事要旨によると、物価目標の達成が見通せないとして「戦略について改めて総合的に検討することが必要ではないか」との意見が委員から出た。黒田総裁は「今の時点でレビューの必要があると思っていない」と否定的だった。
4日の金融経済懇談会にオンラインで講演した黒田氏は新型コロナウイルスをめぐり「欧米で感染が再拡大している点が気がかりだ」と警戒感を示した。金融政策は「感染症の影響を注視し、必要とあれば追加的な措置をちゅうちょなく講じていく」と述べた。
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