思想と映画とジャズと 陣野俊史氏が選ぶ3冊
浅草迄 北野武著
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小説家・北野武による3篇からなる小説集。子供時代のことを描いた「足立区島根町」、高校から大学にかけての生活を下敷きにした「浅草迄」、そして書き下ろしエッセイ「随想――浅草商店街」を収める。
表題作がいい。都立高校での盛り上がらない暮らしを経て、明治大学工学部(現・理工学部)に入ったものの、工学部は川崎市生田へ移転。遠い距離を通い始めるが、大学より頻繁に新宿のジャズ喫茶へ通う日々が続く。そこで出会っ...
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