重文の京町家「杉本家」、京都女子大のキャンパスに

国の重要文化財「杉本家住宅」(京都市)の旧米蔵を活用し、京都女子大学は4日、サテライトキャンパス「杉本家 KOMEGLAキャンパス」を開いた。フィールドワークの拠点やゼミ、発表などの場として利用していく。
旧米蔵は1879年までに建てられたとみられ、老朽化のため2017年から約1年半かけて修復工事が行われた。面積は約24平方メートルで、数十人の学生を収容できる大きさだ。

京都女子大は賃貸契約を結んでサテライトキャンパスとする。「密」回避のため20年度は展示スペースとして利用し、21年度からゼミなどの授業でも活用する予定。
杉本家住宅は京都の中心街、四条烏丸の近くにある大規模な京町家。伝統的な京商家の生活を伝える建造物として10年に国の重文指定を受けた。母屋は幕末の蛤御門の変で焼失後、再建された。15年に亡くなった9代目当主で仏文学者、杉本秀太郎氏が京都女子大で教えた縁でサテライトキャンパスが実現した。

同日の開所式で京都女子大の竹安栄子学長は「当学とは浅からぬ関係がある杉本家と組織的な連携を発展させていきたい」と話した。