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危機下の選択、極まる分断 混沌の兆しも

新型コロナウイルスに端を発した未曽有の危機下の選択となった米大統領選は、共和党のトランプ大統領の再選を認めるか否かの攻防となった。「反トランプ」の結集をめざす民主党のバイデン前副大統領との激戦で米国の分断は極まり、世界に混沌をもたらすリスクをはらむ。

米大統領選は現在のホワイトハウスの主であるトランプ大統領の再選を認めるか否かの攻防となった=ロイター

「トランプ政権の4年がさらに続くよりはマシだ」。選挙戦でバイデン氏の支持者からよく聞いた言葉だ。拙劣な新型コロナへの対応で世界最多の死者を出し、人種差別に端を発した暴動には強権的な鎮圧も辞さない姿勢で臨む。理由は様々だが「反トランプ」の有権者の後押しでバイデン氏は終始、選挙戦をリードした。

ただ、選挙戦がトランプ氏の信任投票の色合いを強めても、岩盤支持層に大きな揺らぎはみられない。選挙戦の最終盤にあった10月末のギャラップの世論調査で同氏の支持率は46%。就任以来2番目の高さを維持する。

結果にかかわらず、米国を待ちうけるのは混乱のリスクだ。ロイター通信によると、トランプ氏支持者の41%、バイデン氏支持者の43%が相手候補が勝った場合は「選挙結果を認めない」と答える。それぞれ16%、22%は暴力やデモに訴えるのすらやむを得ないと主張する。

トランプ氏は郵便投票の不正を訴え、その集票打ち切りも辞さない構えをみせる。連邦最高裁判所判事の多数派を保守派で固め、異論があれば大統領選の決着を司法判断に持ち込む可能性に布石を打った。超大国の指導者が自ら選挙制度に不信の種をまき、民主主義制度の根幹を揺さぶっている。

その余波は米国にとどまらない。「米国の政治制度と民主主義というおとぎ話は終焉(しゅうえん)を迎える。トランプもバイデンも問題を解決できそうにない」。中国共産党系メディアの環球時報(英語版)は米大統領選についてこんな論評を伝える。

共産党の統治体制の優位を誇示し、強権路線に傾斜する中国との体制間競争は激しさを増す。米国で混沌と政治空白が長びけば、世界は一段と不安定になりかねない。(ワシントン=永沢毅)

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