期日前投票1億100万人に、16年総数の7割超に

【ワシントン=鳳山太成】3日投開票した米大統領選は共和党のトランプ大統領、民主党のバイデン前副大統領の両候補が激しく競っている。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、期日前投票は前回2016年の投票総数の73%に上った。激戦州を左右する郵便投票の集計に時間がかかり、決着が長引いている。
フロリダ大学の「米選挙プロジェクト」によると、期日前投票は約1億100万人を超えた。このうち郵便投票が約6500万、対面で投じた票が約3600万。支持政党が分かる約4900万人の内訳は民主が45%、共和が31%を占めた。郵便投票の利用者は民主党支持者に多いため、バイデン氏優勢とはみなせない。
激戦州のフロリダでは期日前に投じた約900万人のうち、民主党支持者が39%、共和党が38%と拮抗した。いずれの党にも登録がない有権者の票も22%あった。トランプ氏は16年の前回選挙を1・2ポイント差で制した。選挙人29人と3番目に多い大票田のフロリダの結果は全体の勝者を占う。
バイデン氏は事前の世論調査で優位に進めていたが、トランプ氏も善戦している。
米メディアの共同出口調査の暫定結果によると、バイデン氏は黒人やヒスパニック(中南米系)でそれぞれ9割弱、7割弱の支持を得た。トランプ氏の人種差別発言を批判して少数派の票を取り込む狙いだったが、16年の民主党候補、クリントン元国務長官と同水準にとどまっている。
新型コロナで感染に不安を持つ女性や経済格差に不満を持つ若者の票はバイデン氏が取り込んだもようだ。トランプ氏は白人や高齢者の票を積み上げた。
一部の州では4日以降に到着した郵便投票も集計するため、期日前投票の総数はさらに増える見通しだ。トランプ陣営は郵便投票の集計で不正が起きると主張しており、最終結果の判明が長引いて混乱する恐れがある。