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アント・グループ、香港・上海上場延期 創業者ら聴取で

【上海=張勇祥】アリババ集団傘下の金融会社、アント・グループは3日、香港、上海で計画していた新規株式公開(IPO)を延期すると発表した。アントの経営権を実質的に握るアリババ創業者、馬雲(ジャック・マー)氏の発言を巡り、中国人民銀行(中央銀行)など金融当局は2日に聴取に及んでいた。

アリババ集団の創業者、馬雲(ジャック・マー)氏は金融当局の聴取を受けた=ロイター

上海証券取引所は、マー氏やアントの首脳が聴取を受けたことを理由に、追加の情報開示が必要になったと指摘する。上海での上場延期を受け、アントは3日夜、香港でも上場を遅らせると発表した。アントは5日に両市場での株式上場を目指し、調達額は円換算で約3兆6000億円と過去最高になる見込みだった。

金融当局が聴取に踏み切った背景にはマー氏の発言のほか、IPOを巡るアントの姿勢があるとされる。マー氏は10月下旬の上海市の講演で「良いイノベーションは(当局の)監督を恐れない。ただ、古い方式の監督を恐れる」などと述べていた。

アントは銀行への融資先の紹介や信用評価の提供を収益源にしている。従来にない経営モデルで高成長を遂げた背景があり、マー氏の発言は金融当局の監督手法の遅れを示唆したとの受け止めが多い。また、アントは上場後の自社株を組み込む投信をスマートフォン決済アプリ「支付宝(アリペイ)」で販売しており、こうした手法も当局の不興を買ったとみられる。

一方、国務院(政府)は10月末に開いた金融安定に関する会議で、イノベーションを奨励すると同時にフィンテック企業などを「全面的に監督に組み込む」と表明していた。銀行、保険の監督当局幹部はメディアへの寄稿で、アントのサービスを名指ししたうえで「銀行が提供する金融サービスと本質的な差はない」と指摘。アント側が高額な手数料を取っており、利用者の実質的なコストが高くなっていると批判していた。

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