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中国GDP、2035年に倍増 長期目標で成長率は示さず

(更新)
中国共産党の5中全会に臨む習近平総書記(右から2人目)ら(10月、北京)=新華社・共同

【北京=多部田俊輔、川手伊織】中国共産党は3日、2021~25年の第14次5カ年計画などの草案を公表した。習近平(シー・ジンピン)国家主席は「35年までに国内総生産(GDP)と1人当たりの収入を2倍にすることは完全に可能だ」との見通しを示した。米国との対立が長引くとにらみ、ハイテク技術などの内製化を急ぐ。

新たな5カ年計画と35年までの長期目標の草案は、10月29日に閉幕した第19期中央委員会第5回全体会議(5中全会)で採択した。国営新華社を通じて公表した。新華社は、習氏自身による計画の解説も配信した。

習氏は35年までの見通しとあわせて、今後5年間について「高収入国家の基準に達することは可能だ」と指摘した。ただ草案は「定性的な表現を主とする」とし、具体的な経済成長率の目標には触れなかった。16~20年の現行計画の草案をまとめた15年11月には「年平均6.5%以上が必要だ」と言及していた。

具体的な数値目標への言及を見送ったのは、新型コロナウイルスのまん延や世界経済の低迷など不確定要素が多いためだ。習氏は21年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)に示す大綱に数値目標を盛り込む考えを示した。

15年間でGDPを倍増させるには、年平均4.7%の成長が必要になる。米議会予算局(CBO)の予測では、30年の米GDPは31兆ドル。為替レートが一定と仮定すれば、30年の中国GDPは米国の8割弱に達する。30年代半ばの米中逆転も視野に入る。

米中対立の常態化を想定し、次期5カ年計画ではハイテク覇権の争いに向けた産業政策を盛り込んだ。半導体や人工知能(AI)を戦略的な重点科学分野に位置づけ、外国からの制裁に影響されない独自のサプライチェーン(供給網)の構築を打ち出した。

トランプ米政権が次々と打ち出した中国企業に対する制裁措置への対応策が目標の主眼となった。新しいキーワードは「自主可控(中国が独自にコントロールできる)」だ。中国政府幹部は「米国から制裁を受けても影響がないという意味だ」と指摘する。

「国家経済の安全の確保」を打ち出した。産業競争力を調査・評価し、産業システムに対する攻撃への対抗力を増強する。技術革新の力を高め、サプライチェーンの中核技術を強化して、調達の多元化も図るとしている。

これまでは米国など海外で学んだ優秀な人材を迎えることで国内産業の育成を図ってきた。対立激化で米国などでの研究が難しくなることをにらみ、科学技術でも「自立」や「自強(自ら強くする)」を強調した。これまで不十分だった基礎研究も税優遇などで力を入れる。

「科学技術強国」をつくるための行動綱要を制定し、戦略的に人材や産業の育成を行う。具体的には半導体、AI、航空宇宙などを戦略的な国家重大科学技術プロジェクトに位置づけることも盛り込んだ。

新興産業の育成ではIT(情報技術)、バイオテクノロジー、新エネルギー、新素材、電気自動車(EV)などの新エネルギー車、航空宇宙などを具体的に挙げ、インターネット、ビッグデータ、AIと各産業との深い融合を進める方針を打ち出した。

このほか、次期計画は香港を巡り「法に基づいた統治を堅持する」としたうえで「外部勢力の干渉を断固として防ぐ」と強調した。

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