「クジラの尾」地下鉄救う オランダ、運河に落下寸前

【ブリュッセル=共同】オランダ南部ロッテルダム郊外の地下鉄終点駅で2日未明、列車が停車できず、ストッパーなどを突き破った。先頭車両が高架上の駅から約10メートル下の運河に落下しかけたが、高架脇の水面から半身を突き出した巨大なクジラ像の尾びれに車両が載り、落下を免れた。
乗客はおらず、唯一乗っていた運転士は自力で脱出し、けがはなかった。
欧州メディアによると、像は「クジラの尾びれに救われて」と呼ばれていたという。現地安全当局者は文字通りの出来事に驚いている。
像はプラスチック製。2体あるうちの片方が車両を救った。制作者は「(像が)車両の重みに耐えられ、本当に幸運だった」と話した。像は駅や列車の安全のためではなく、住民を喜ばせるため、2002年に設置されたという。
事故原因は調査中。先頭以外の車両も脱線した。車両をどうやって駅に戻すか、現地当局は頭を痛めている。
