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アフリカ債務危機、ザンビアで交渉難航 対中優先に懸念

【カイロ=久門武史】アフリカ諸国などの債務危機が表面化してきた。デフォルト(債務不履行)の瀬戸際にある資源国ザンビアを巡っては、民間債権者が利払いの猶予を拒んだ。中国に優先的に債務が返済される可能性を理由にしているもようだ。中国が各国で不透明な融資を膨らませてきたことを背景に債務の再編も一筋縄ではいかなくなっている。

ザンビアのルング大統領(左)と握手する中国の習近平国家主席(2018年、北京)=ロイター

ザンビアはドル建て債の4250万ドル(約45億円)の利払いが期日の10月14日にできなかった。猶予期間は1カ月で、事態が改善しなければ新型コロナウイルスの流行後、アフリカで初のデフォルトとなる。

米格付け会社のS&Pグローバル・レーティングは10月22日、ザンビアの外貨建て債務の格付けについて、長期・短期とも一部に不履行があることを意味する「選択的デフォルト」に引き下げている。来年1月、3月にもそれぞれ満期が別のドル建て債の利払いが迫っており、デフォルトが現実味を帯びる。

ザンビア財務省は9月、「新型コロナによる歳入減と予算外の支出」を理由に、ドル建て債の利払いを来年4月まで猶予するよう求めていた。これを計4割を握る債権者団が拒否した。ザンビアが中国の大口債権者への返済を優先するのではないかとの懸念からとみられている。

ザンビア財務省によると、同国の対外公的債務は6月末時点で120億ドル。世界銀行の統計によれば、対中債務残高は19年末時点で34億ドルと、15年末から2倍強に膨らんでいる。中国からの借り入れの内訳や条件などの情報が明らかにされていないため、債権者の不満が募る。

ザンビアのヌガンドゥ財務相は10月、「我々が債権者を平等に扱っていないとみられたようだ」と認めた。ザンビア財務省は10月末、中国国家開発銀行との間で返済繰り延べで合意したと発表した。債権団から利払い繰り延べを取り付けるための方策とみられる。

ザンビアが資金繰りに行き詰まった直接の理由は新型コロナだが、かねて財政の問題を指摘されていた。銅の輸出に依存しながら、過剰なインフラ投資を進めた。自国通貨の下落で、ドル建て債務の負担が膨らむなかで、中国の積極的な融資への依存を深めた経緯がある。

中国マネーに依存する構図はアフリカ諸国に共通する。ケニアやジブチも19年末までの4年間で、対中債務残高が2倍超に膨らんだ。コンゴやアンゴラの債務も同期間に8~9割増えた。

ガーナのオフォリ・アタ財務相は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)への寄稿で「欧米の債権者は、返済を猶予した分が単に中国に流れるのを恐れ、(債務問題での)譲歩に慎重だ」と指摘した。

中国は習近平(シー・ジンピン)国家主席が主導した広域経済圏構想「一帯一路」による巨額のインフラ開発に伴い債権を膨張させてきた。新型コロナの流行を受け、20カ国・地域(G20)は最貧国を対象に債務支払い猶予イニシアチブ(DSSI)に乗り出しているが、G20の一員である中国の動きは鈍いと批判されている。

世界銀行のマルパス総裁は10月、「中国はポートフォリオを劇的に拡大し、返済延期に完全に参加していない」と不満を表明した。

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