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台風上陸12年ぶりゼロ 発生少なく、高気圧が接近阻む

(更新)

2019年に相次ぎ甚大な被害をもたらした台風が今年は一つも上陸していない。このまま行けば08年以来、12年ぶりのゼロとなる。日本から遠く離れたインド洋の海面水温の状況や太平洋高気圧が張り出すタイミングなど、気象庁は「様々な偶然が重なった結果」とみている。

気象庁によると、1981~2010年の平均(平年値)で、台風は年間25.6個発生し、そのうち2.7個が上陸している。51年の統計開始以降、上陸数がゼロだったのは84年、86年、00年、08年の4回。過去に11月以降に上陸した台風は90年の1個だけで、今年は5回目の上陸ゼロとなる可能性が高まっている。

今年は上陸だけでなく、発生数も低調だ。10月までに発生した台風は20個で平年のペースを下回る。特に5~6月は各1個、7月はゼロと夏の初めが極端に少なかった。

要因の一つがインド洋の海面水温だ。7月末まで平年より高い状態が続き、ここで発生した上昇気流が、隣接するフィリピン近海の対流活動を弱め、台風の発生を妨げた。こうした異変は日本付近の気圧配置にも影響し、異例の長梅雨をもたらしたとみられている。

8月以降は台風の発生数が増えたが、太平洋高気圧が日本付近に広く張り出して近づけず、9月の台風10号は九州の西の海上を北上した。その後太平洋高気圧が後退し、10月の台風14号は上陸も懸念されたが、偏西風の位置などが影響して途中で南にUターンした。気象庁の担当者は「上陸がなかったのは偶然が重なった結果」と説明する。

台風の上陸はなかったが、水害が起きやすい時期とされる「出水期」の降水量は平年を軒並み上回った。気象庁の統計を基に、気象台がある全国56地点の6~10月の総雨量を日本経済新聞が集計したところ、約8割の46地点で平年を上回り、そのうち11地点は平年の1.5倍以上だった。

今後は海面水温が低下し、台風は発生しにくくなる。発生しても偏東風に流されたり、後退した太平洋高気圧の縁を回って日本の南海上を東へ向かったりして、日本に上陸する可能性は低いとみられる。

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