10月の関西主要百貨店、13カ月ぶり増収も
関西の主要百貨店が2日発表した10月の売上高(速報値)は、売上高に占めるインバウンド(訪日外国人)比率が比較的低い一部の店舗で13カ月ぶりに前年を上回った。昨年10月に消費増税で売り上げが大幅に落ち込んだ反動の影響が大きかった。美術品などの高価格商品の販売やウェブを活用した取り組みが好調に推移したことも売り上げ回復を後押しした。
J・フロントリテイリング傘下の大丸松坂屋百貨店では、大丸京都店(京都市)が3%増、大丸神戸店(神戸市)が17%増だった。31%減だった大丸心斎橋店(大阪市)に比べてインバウンド比率が低く、足元商圏に富裕層の顧客が多いことなどが影響したもようだ。美術品や宝飾品などが好調に推移したという。

高島屋でも大阪店(大阪市)は13%減だった一方で、京都店(京都市)は1%増となった。同店は売上高に占める免税比率が大阪店の半分程度で、インバウンド消失の影響が比較的小さかった。
エイチ・ツー・オーリテイリング傘下の阪急うめだ本店(大阪市)は1.1%減だった。高級バッグや時計などが好調で、免税を除いた国内売上高は15%増となった。北海道物産展といった大型催事も再開し、来店客増につながった。
あべのハルカス近鉄本店(大阪市)は17%減だったが、国内売上高に絞ると1%減まで回復してきているという。10月10日から受注を始めた歳暮はネットでの販売が好調で、前年実績を上回るペースで推移している。
ただ今後の見通しについては不透明感が漂う。高島屋は「コロナ禍で賞与が少ない企業もあるはずで、買い物需要がコロナ前の水準に一気に戻るのは難しそう。今後の増減幅は横ばい程度で推移しそうだ」(広報担当者)と話す。