デジカメ世界出荷、9月32%減 CIPA調べ
カメラ映像機器工業会(CIPA)は2日、9月のデジタルカメラの世界出荷が前年同月比32%減の101万1000台だったと発表した。8月に比べ下げ幅が縮小するなど持ち直しの動きもみられるが、欧米で新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、先行きは不透明な状況が続いている。

コロナの感染が世界各地で拡大した5月には出荷台数の減少率が73%となったが、減少幅は緩やかなペースになりつつある。金額ベースでは前年同月に比べ93%の水準まで戻してきた。
台数を地域別にみると、中国での出荷が15%減と落ち込み幅が最も小さく、日本と米州では37%減と最も大きく落ち込んだ。コロナの影響で屋外イベントなどが減っており、カメラの購入にも影響した可能性がありそうだ。
機種別では一眼レフが47%減の24万1000台、コンパクト型は35%減の40万5000台。ミラーレスは13%減の36万4000台だった。ミラーレスは金額ベースでは1.2倍と増加に転じた。
日本では旅行などの外出が徐々に回復してきている。10月には政府による観光需要喚起策「Go To トラベル」事業に東京発着も含まれたことで、カメラの需要に追い風となる見込み。ビックカメラ有楽町店(東京・千代田)の売り場担当者は「デジカメ売り場の来客が戻ってきている」と話す。
一方、英国では首都ロンドンのあるイングランドで約1カ月間の限定的なロックダウン(都市封鎖)が始まるなど、欧州では感染者数の急増による外出規制の再導入が相次いでいる。インドやブラジルなど新興国でも感染者数の増加に歯止めがかかっておらず、カメラ需要の本格的な回復にはまだ時間がかかりそうだ。(橋本剛志)
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