[FT]CDS市場が示す不穏な兆候
ゾンビ企業増 回収率低下
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金融危機が起こった2008年には投資家やメディアは(国や企業の投資適格債券の信用力を示す)クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の価格動向にひどく神経質になっていた。CDSはデリバティブ(金融派生商品)の一種で、債券投資家が発行体のデフォルト(債務不履行)リスクに対する保険として用いる。
異常に低い回収率
金融危機が深まるにつれて、CDSの価格は(危機の兆候をいち早く知らせる)「炭鉱のカナリア」の役割を果たすよ...
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Gillian Tett 英国生まれ。93年FT入社、ソ連崩壊時に中央アジア諸国を取材、97~2003年東京支局長を経て現在、FT米国版編集長。2008年にBritish Business Journalist of the Yearを受賞。2009年には「愚者の黄金 大暴走を生んだ金融技術」で英Financial Book of the Yearを受賞。