モルドバ大統領選、決選投票へ 親ロシア対親欧州

【モスクワ=小川知世】旧ソ連のモルドバで1日、大統領選(任期4年)の投票が実施された。中央選管によると、当選に必要な過半数の票を獲得した候補が出ず、現職の親ロシア派、イーゴリ・ドドン大統領(45)と親欧州派のマイア・サンドゥ前首相(48)が15日に予定する決選投票に進む見通しとなった。
開票率98%時点で得票率はドドン氏、サンドゥ氏ともに約34%だった。2016年の前回大統領選に続き、親ロシア派と親欧州派の両氏による一騎打ちとなる。サンドゥ氏が親欧州派の勢力を結集し、ドドン氏を引き離せるかが焦点となる。
選挙戦では再選で安定を訴えるドドン氏をロシアが支援するのに対し、欧州連合(EU)との統合推進を掲げる政党「行動と連帯」党首のサンドゥ氏を欧州が支持する。決選投票へロシアと欧州の水面下でのにらみ合いも激しくなりそうだ。
モルドバはウクライナとルーマニアの間に位置し、「欧州の最貧国」と呼ばれる。ウクライナと国境を接する東部の沿ドニエストル地方は親ロ派勢力が実効支配し、ロシア軍が駐留している。