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多芸多才の坂口恭平、音楽はすべての根幹

石牟礼道子の詩「海底の修羅」に曲をつけて歌った

作家、建築家、画家など、様々な顔を持つ坂口恭平(42)がシンガー・ソングライターとして2作目のアルバム「永遠に頭上に」を発表した。路上生活者の住居を撮った2004年の写真集「0円ハウス」で注目され、14年には小説「徘徊タクシー」が三島賞候補になるなど、各分野で注目を集めているが「すべての表現活動の根幹は音楽にある」と話す。

アルバムにはフォークソングや童謡を思わせる素朴な歌が並んでいる。「歌は頭の中の映像を写真に撮るような感じで生まれます。(創作のひらめきが)常に川のように流れているんです。だから立ち止まれば歌が書ける。10分で書ける。人生でスランプなど一度もありません」と独特な創作の在り方を明かす。

同じ熊本県出身の作家で、水俣病患者を描いた小説「苦海浄土」で知られる石牟礼道子(1927~2018年)の詩にメロディーをつけた「海底の修羅」も収録した。「石牟礼さんの詩集をパラパラとめくっていたら、この詩が目に留まった。僕の感情と詩の世界が完全にリンクしたんです」と振り返る。すぐに曲ができた。その場で歌い、スマートフォンで録音した音源をそのまま収録したという。「自分の創作活動の中で音楽だけは洗練されない。その分、瞬発力はある。水墨画のようなものですね」と笑う。

「アルバムを一聴すると、とてもシンプルな音楽に思えるかもしれません。しかし僕としてはパソコンの圧縮ファイルのように、多くの情報を詰め込んだつもりです。誰かに聴かれることで、ファイルが解凍される。僕の個人的な歌がリスナーの記憶とつながって普遍が生まれ、どこかで見た光景、聴いた音だなと感じてもらえればいい」と語った。

(吉田俊宏)

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