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中小型株運用は、ぶれないモノサシが大事(木村忠央)

カリスマファンドマネジャーの眼(上)

国内中小型株ファンドの運用において、長期間にわたって市場平均を上回る成績をあげているカリスマファンドマネジャーは、ここからの相場をどうみているのか。2回にわたり紹介する。今回は「三井住友・中小型株ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)を運用する木村忠央シニアファンドマネージャーに話を聞いた。

──「三井住友・中小型株ファンド」の特徴は。

三井住友DSアセットマネジメント 株式運用第一部バリューチームシニアファンドマネージャー 木村忠央さん

企業価値から「目標株価」を算出し、それを基に投資判断を行う点が特徴です。株価が目標株価より安ければ買い、高くなれば売る。2003年の設定以来、その運用を貫いています。

具体的には、3年先までの企業の業績を精緻に予想し、そこから収益還元法で目標株価を算出します。本当は予想期間が長いほど精度が上がるのですが、中小型株の10年後はどうなっているか分からない。だから3年後の姿をイメージして目標株価を見積もります。

──売買の方針は。

明確なルールがあって、今の株価が目標株価と比べて20%以上安ければ買います。その後、株価が目標株価に近づくにつれて売却していき、目標株価で大体売るのが基本です。例外もありますが、20%以上高くなった銘柄は保有しません。

銘柄の平均保有期間は4~5年程度。良い銘柄は決算のたびに業績が伸びて、目標株価自体が上がっていく。だから保有期間が長くなるんです。景気によらず安定して成長する銘柄を長期保有するのが理想です。

──コロナショック後の対応は。

基本的な運用方針は全く変わりません。どんな相場環境でも、ぶれずに同じ「モノサシ」で運用するのが自分の強みです。

相場は移り気なので、短期的にテーマや物色動向が変わる。それを追いかけて運用方針をコロコロ変えてしまい、失敗する人をたくさん見てきました。それはプロでも個人でも同じです。

足元では、マザーズがものすごい勢いで上がっていますが、自分のモノサシで測ると割高でとても買えない。だから、今、マザーズ銘柄の組み入れはほぼゼロです。指数が上がるのを黙って眺めているのは胃が痛くなりますが、目先の利益を追って自分の運用を見失ってはいけないと考えています。

ただ、リーマン・ショック後も東日本大震災後も、結局このファンドは利益を出していますから、いずれ自分の投資銘柄に光が当たる展開が来るのではと思っています。

──注目している投資テーマは。

企業のIT化は長期的な成長分野。もともと働き方改革などを受けてIT化が進むと考えていましたが、新型コロナの感染拡大でそれが加速しました。機器やソフトを作る会社よりも、企業向けにIT化のコンサルティングを行っている会社の中に有望株があるとみています。

一方で、日本的なオールドエコノミー企業の中にも有望株はあります。4~6月期の決算では、広告宣伝費や交通費などが削減された結果、「思ったほど悪くない」水準の業績になった企業が目立った。企業の中には、こうした事実から気付きを得て、大胆な取り組みを進めているところがある。それが下期から顕在化してきます。本業が景気敏感の企業で、景気回復とこうした動きが重なれば、ものすごい利益が出る可能性もあります。

(市田憲司)

[日経マネー2020年12月号の記事を再構成]

日経マネー 2020年12月号 秋相場は大化け期待の中小型株を狙え! 最強の成長株

著者 : 日経マネー
出版 : 日経BP (2020/10/21)
価格 : 750円(税込み)

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