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ミャンマー、スー・チー政権の5年に審判 8日総選挙

10月29日、ミャンマーの首都ネピドーで総選挙の期日前投票を済ませたアウン・サン・スー・チー国家顧問(ミャンマー情報省提供)

【ヤンゴン=新田裕一】ミャンマーで8日、上下両院の任期満了に伴う総選挙が投開票され、事実上のアウン・サン・スー・チー政権の5年間に対する審判が下される。少数民族和平、憲法改正、経済改革といった公約の実現は遠く、与党の勢いは陰る。両院で過半数を維持できるかどうかが焦点だ。

カギを握るのは人口の3割を占める少数民族票だ。国家顧問のスー・チー氏率いる与党、国民民主連盟(NLD)への不満が広がっている。2015年の前回総選挙で政権交代を実現させた支持層の一つだが、投票先をNLDから各民族政党に変更する動きがある。スー・チー氏が自治権の拡大を求める少数民族と国軍の紛争を解消できないからだ。

北部のカチン州には紛争を逃れた人たちのキャンプが点在する。その一つに住む少数民族の女性、バウ・ヌー・オンさん(22)は「前回は和平を期待してNLDを支持したが、スー・チー政権で戦闘は逆に激化した」と話す。地元のカチン州人民党に投票する考えだ。

NLDは前回の公約として国内和平、憲法改正を掲げた。だが、多数派のビルマ族出身で国軍創設メンバーを父に持つスー・チー氏は国軍と武装勢力の協議をまとめられず、8月の和平会議も進展はなかった。NLDは1月、国軍の政治関与を減らす憲法改正案を議会に提出したが、否決された。民主化勢力の一部もNLD離れを起こしている。

経済改革も大きな課題だが、電力供給などインフラ整備は十分でない。

総選挙はNLDに国軍系で最大野党の連邦団結発展党(USDP)、複数の少数民族政党が挑む展開。上下両院の改選前勢力はNLDが58%を占め、過半数(333議席)を上回る。

仮にNLDが過半数割れまで議席を減らす場合でも、大統領の選出に直結する両院での第1党維持は確実だとみられている。憲法の規定で、配偶者(故人)が外国人のスー・チー氏は大統領になれないが、大統領を指導する立場として事実上の政府トップを続けることはできる。だが、NLDが過半数に満たなければ、法案の審議や採決で影響力は大きく低下する。

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