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英、1カ月の都市封鎖へ 欧州でコロナ再規制ドミノ

(更新)
10月30日、ドイツ・ベルリンの病院で新型コロナウイルス感染が疑われる患者を治療する医療関係者ら=ロイター

【ロンドン=篠崎健太】新型コロナウイルスの感染者が急増する欧州で、飲食店の営業禁止や外出制限などの再導入が広がっている。英政府は10月31日、首都ロンドンのあるイングランドで約1カ月間の限定的なロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表した。オーストリアやポルトガルも同日、制限の強化を表明した。欧州経済は失速が避けられない情勢だ。

ジョンソン首相は記者会見で「この秋の急増を抑えるために今、行動しなければならない」と強調した。医療崩壊を防ぐために「他に選択肢はない」と述べ、英国民に協力を呼びかけた。

英イングランドの規制は11月5日から12月2日まで実施する。スーパーマーケットなど生活必需品を扱う店を除き、商業施設は閉鎖される。飲食店は持ち帰りや宅配以外の営業を認めない。市民は在宅勤務が難しい場合の出勤や通学、生活必需品の買い物、運動などのほかは外出できない。ビジネスや学業目的ではない旅行は国内外を問わず禁じられる。

一方で3月から実施した前回のロックダウンとは異なり、学校や大学などの教育機関は閉めない。英政府は規制案を11月2日に議会に示し、同4日に承認を得て実施する。解除は地域ごとに情勢を踏まえて判断する。

英国では10月31日に2万1915人の新規感染確認が発表され、累計患者数は100万人を超えた。入院者数は足元で約1万1千人と4月のピーク時の約6割に膨らみ、医療体制の逼迫が懸念されている。会見に同席したウィッティー首席医務官は「行動しなければ医療制度が困難な状況に陥る可能性が極めて高い」と危機感を示した。

イングランドは人口と国内総生産(GDP)でそれぞれ英全体の85%前後を占め、全域での外出規制で経済活動へのさらなる打撃は必至だ。ジョンソン氏は10月末で終了予定だった、新型コロナで休業を迫られた労働者への所得支援策を12月まで延ばすと表明した。10月から給与の60%に減額していたが、3月に発表された当初水準である80%に戻す。

英政府は10月12日、地域ごとにコロナ警戒度を「中程度」「高い」「とても高い」の3段階に分ける新規制をイングランドで導入したばかり。全土一斉の制限を避ける狙いだったが、早くも見直さざるを得なくなった。ロンドンは同17日に「高い」に引き上げられ、家族以外との屋内での交流が禁じられた。商業施設をほぼ全て閉じる新たな規制は、従来の最上位よりも厳しい内容だ。

欧州では新型コロナの規制再強化が相次いでいる。オーストリアのクルツ首相は10月31日、11月3日から月末まで部分的なロックダウンを実施すると発表した。持ち帰り以外の飲食店営業を禁じるほか、仕事や通院、運動などを除き午後8時から午前6時までの外出を制限する。ポルトガル政府も同日、首都リスボンを含む多くの地域で11月4日から可能な限りの在宅を求めると発表した。

フランスは10月30日から外出を禁じる行動規制を全土で再導入した。ドイツは11月2日から飲食店や娯楽施設の営業を禁じ、ベルギーも同日から営業停止の対象をスーパーなどを除く小売店全般に広げる。主要国が軒並み1カ月程度の行動制限に踏み切ることになり、回復の足が止まりつつあった欧州経済の「二番底」シナリオが現実味を増してきた。

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