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焼損の赤瓦、舞台で「復活」 首里城火災1年

首里城の焼損瓦を配合したパネルに正座し、琉球古典音楽を演奏する沖縄県立芸術大教授の山内昌也さん(31日、那覇市の陵墓「玉陵」)=共同

首里城(那覇市)の焼損した赤瓦で、琉球王朝時代の舞台空間を再現したい――。火災から1年となった31日、焼け残った瓦を配合したパネルの舞台が披露された。沖縄県立芸術大教授の山内昌也さん(46)がその上で、研究を重ねている琉球古典音楽を上演。県内を中心に各地で披露する考えで「琉球、沖縄を五感で感じてもらいたい」と願っている。

山内さんは首里城近くにある琉球王国の国王の陵墓「玉陵」で、当時の役人の着物と帽子をまとい、舞台に正座してゆったりとした三線の音色と歌声を響かせた。おごそかな雰囲気の中、歴代の国王らに対し「新しい首里城ができるまでの間、見守っていてください」との思いを込めた。

かつて中国からの使者を歓待する度、首里城の正殿と北殿の間に新たな舞台を設けていたという。山内さんは、三線や舞踊だけでなく舞台そのものも瞬間芸術だと捉え、瓦を活用する県の公募に手を挙げた。

パネルは4枚を並べた計約1.8メートル四方の正方形で、厚さ約4センチ。県内で開発され、内部にカーボンワイヤを通して薄さと強度を両立した「ハイブリッドプレストレスト・コンクリート(HPC)」を用いた。瓦のかけらを縁に埋め込み、表面には伝統的な染色技法「琉球紅型」の図柄をあしらって、瓦を砕いた粉で色を付けた。

火災当日、大学に駆け付けると、研究室から毎日見ていた正殿がなかった。瓦が崩れ落ちるにぶい音が耳に残っている。「何度も演奏した場所。聖地が焼失し、琉球古典音楽もなくなるのではないか」と不安になった。

火災を機に、先人たちから伝わり、外交のツールでもあった琉球古典音楽を、より追究したいと思うようになった。心に余裕が生まれる曲調は、今の時代にこそ必要だと考える。「琉球の気候や風土、時間の流れをイメージする素材になれば」

伝統と革新を融合させた舞台で、かつての「うとぅいむち(おもてなし)」を発信していくつもりだ。〔共同〕

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