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大阪都構想否決 市民、悩み抜いた1日

(更新)

「大阪都構想」の賛否を問う住民投票が1日、行われた。僅差で否決された前回の住民投票から約5年。政令市の存続か、4つの特別区への再編か。未来の大阪の姿を描くための住民投票に、大阪市民は「否決」の審判を下した。投開票日の市内各地の風景を追った。

出口調査では賛否拮抗

午後8時、「大阪都構想」をめぐる住民投票の受付時間が終了した(1日)

午後8時、住民投票の受付時間が終了した。「大阪都構想」を巡る賛成派、反対派の論戦が終わり、あとは開票結果を待つのみ。自身も投票したという大阪市の自営業の男性(55)は「さあ、結果がどう出るか。住みやすい街をつくってほしい」と話し、夜空に浮かぶ大阪城を写真に収めた。

日本経済新聞社が実施した住民投票の出口調査では、賛成と反対が拮抗していたが、開票の結果、反対多数となった。

開票所でも「密」対策

開票作業が行われる旭区民センターのホール(31日、大阪市旭区)

大阪市旭区の区民センターのホールでは開票作業に向け、「賛成」「反対」と書かれたカゴが準備された。担当者によると、開票要員は「密」を避けるために2015年の前回住民投票より約1割減らした。30代の市職員は「大阪の未来を左右する住民投票。間違いがないように細心の注意を払って集計作業を進めたい」と気を引き締めた。

投票終了までまもなく

投票終了が近づく中、有権者らが訪れた(1日、大阪市都島区の桜宮小)

市内の投票所では日が暮れた後も多くの人が投票に訪れた。投票終了時間の午後8時までまもなく。近くでケーキ店を営む男性(49)は「仕事が一段落して、投票に間に合った。よく考えて1票を投じた」と話した。

投票率、午後7時現在40.34%

大阪都構想の賛否を投票する有権者(1日、大阪市都島区)

大阪市選挙管理委員会によると、午後7時現在の投票率は40.34%だった。15年の前回住民投票の同時刻を5.07ポイント下回っている。投票は午後8時で締め切られる。

一方、市立桜宮小学校(同市都島区)に設置された投票所では午後5時半ごろ、手指を消毒したり、1メートル間隔で並んだりと、有権者が感染対策に協力していた。同区に住む主婦(41)は「鉛筆を使うたびに消毒するなど、感染対策が徹底されていて安心した」と話した。

黒門市場、インバウンドの姿なく

人通りが少ない黒門市場(1日、大阪市中央区)

新型コロナウイルスの影響でインバウンド(訪日外国人)のにぎわいが消えた黒門市場(同市中央区)。シャッターを閉めた店舗も目立ち、経営者らは都構想とは異なる問題に頭を痛める。鮮魚店を営む男性(66)は「感染者の少ない国や地域からの渡航制限を緩和してほしい」と話した。

投票率、午後3時現在28.33%

大阪市選挙管理委員会によると、午後3時現在の投票率は28.33%だった。2015年に行われた前回の住民投票の同時刻の投票率を4.15ポイント下回っている。

御堂筋もにぎわう

買い物客などでにぎわう御堂筋(1日、大阪市中央区)

大阪市北区と中央区にまたがる御堂筋は大阪の目抜き通り。同市などは、パリのシャンゼリゼ通りに並ぶ街並みを目指し、整備する青写真を描く。この日午後も買い物客などでにぎわう一方、投票を呼びかける広報カーや運動員の姿が目立った。

当日も投票呼びかけ

街頭演説を聞く有権者(1日、大阪市中央区)

大阪・ミナミの高島屋(同市中央区)の前などで街頭演説会が開かれ、多くの聴衆が足を止めた。通常の選挙の運動期間は告示日から投票日前日までだが、今回の住民投票は投票日当日も賛否の呼びかけが可能だ。天王寺区の男性(70)は「子や孫の世代を考えると、どちらに投じるか迷う。最後に演説を聞いてから決めたい」と話した。

前回賛成多数の北区

投票に訪れる有権者ら(1日、大阪市北区の豊崎本庄小)

15年の前回住民投票では賛成多数だった大阪市北区。反対を1万票上回り、その差は24区で最大だった。同区の豊崎本庄小学校には市民が次々と投票に訪れ、男性会社員(44)は「メリット、デメリットを知った上で大阪の将来を考えて投票した」と話した。

前回反対多数の平野区

投票所を訪れた有権者(1日、大阪市平野区の平野小)

15年の前回住民投票では反対多数だった大阪市平野区。賛成を1万票余り上回り、その差は24区で最大だった。生後4カ月の乳児を連れた女性会社員(29)は「どんな結果になっても、将来を担う子どもたちが暮らしやすい街になってほしい」と語った。

期日前投票は有権者の2割、41万人

大阪市選挙管理委員会は1日、10月31日までに41万8925人が期日前投票を済ませたと発表した。有権者約220万人の約2割に相当する。15年の前回住民投票に比べて約6万人増加した。

投票広報カー走る

「住民投票の投票日です。有権者の皆さん、必ず投票しましょう」。1日午前、大阪市役所(同市北区)から2台の投票広報カー「行こう!投"ヒョウ"号」が出発した。広報カーの写真を撮影していた女性は「投票日だということを思い出した。これから投票に行くつもり」と話した。

投票始まる

午前7時過ぎ、投票に向かう有権者ら(1日、大阪市中央区の中大江小)

住民投票は1日午前7時から大阪市内365カ所の投票所で始まった。市立中大江小学校(同市中央区)には、開場前から有権者の列ができた。同区の男性会社員(39)は「自分が住む街の将来を問う住民投票なので、賛否両派の意見を聞いた上で慎重に考えた。どちらの結果になっても受け入れたい」と話す。投票は午後8時まで。

投票所もぬかりなく

住民投票を翌日に控え準備が進む投票所。新型コロナウイルスの感染防止策で受付には透明なシートが張られていた(10月31日、大阪市中央区)

大阪市内各地の投票所では新型コロナウイルスの感染防止策を徹底。市立玉造小学校(同市中央区)の投票所は受付に透明なビニールシートを張り、出入り口に消毒液を置いた。記載台の間隔は1メートルほど離し、有権者同士の密を避ける工夫もした。

「投票しましょう!」

大阪市役所前に設置されている投票を呼びかける看板(10月31日)

大阪市役所(同市北区)前には住民投票の実施を周知する看板が置かれ、投票を呼びかける垂れ幕も掲げられている。若者の低投票率が言われる中、投票率が15年の前回住民投票と比べてどう変化するかも注目される。

投票用紙

大阪市選挙管理委員会が公開する住民投票の投票用紙のイメージ

投票用紙には「賛成」または「反対」と記入する。ひらがなやカタカナで書いても有効だが、大阪市選挙管理委員会は「他のことを記入すると無効になる」と注意を呼びかけている。

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