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叫び動く子供ロボ 歯科研修向け、テムザックが開発

「ペディアロイド」は眼球や手足を動かし、呼吸音や声も発する
NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

ロボットメーカーのテムザック(福岡県宗像市)は歯科学生の研修向けに小児型の患者ロボット「ペディアロイド」を開発した。診察を嫌がって暴れたり、ショック症状も再現したりでき、臨床実習が難しい子供の歯科治療を体験できる。国内の歯科大で先行導入し、海外向けにも販売網を持つメーカーと連携する。

ペディアロイドは5~6歳の想定で身長110センチメートル、体重は23キログラム。表面はシリコン素材で首や手足、顎など24カ所がリアルに動く。

泣き声や呼吸音を発して、「痛いよ」などの音声も自由にパソコンやタブレットで操作できる。喉の奥を押すとセンサーが反応して、おえつの音を発する。歯は削ることができ、交換も1本ずつ可能。虫歯を再現した歯も用意している。

歯科治療中に容体が急変したケースも実習できる。麻酔によるアナフィラキシーショック、嘔吐(おうと)による窒息などを想定。瞳孔や顔色が変化して、利用者は心音の確認や採血といった診療行為を疑似体験できる。手足はエアシリンダーで動き、押さえても故障しにくくした。

先行導入した福岡歯科大学の尾崎正雄教授は「患者の容体が急変した場合を教える必要もあるが、小児の臨床実験は難しい」といい、患者型ロボットを使った実習の効果を説く。教育現場では、声のかけ方や心臓マッサージのタイミングなど容体急変の際の対応を繰り返し練習できる。学生からは「通常では体験できない実習で、もう一度受講したい」といった感想を得られたという。

ペディアロイドの開発や試験導入に取り組んだテムザック高本社長(中央)や福岡歯科大学の尾崎教授(左)

テムザックは2014年に歯科研修向けに大人の患者型ロボット「デンタロイド」を発売。日本国内の大学のほか、米国やサウジアラビア、タイなどで計15台を販売した。さらに「小児治療では暴れる動作や病状の急変など特有のリスクがあり、小児型ロボットの研修需要も見込める」(高本陽一社長)と判断した。

販売は歯科機器メーカーのニッシン(京都府亀岡市)が担い、価格は2000万円未満を想定している。年間の販売目標は海外で45台、日本で5台としている。

大人型のデンタロイドで評価を得ている大学などの販路を中心に展開する。すでに福岡歯科大学にも、ペディアロイドについて海外から複数の問い合わせがあるという。

今後は同様のヒト型ロボットで体内をより細かく再現して、内視鏡検査などのシミュレーションにも使えるロボットの開発を検討している。

テムザックは災害現場や建設作業、乗り物型など様々な「ワークロイド」(働くロボット)を開発製造している。売上高は20年度には約6億円を見込む。

(企業報道部 茂野新太)

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