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大学・学生「オンライン留学」に活路 渡航制限に対応

米トリニティ大と関西学院大のオンライン共同授業の様子(同大提供)

新型コロナウイルスの影響で海外渡航が制限されるなか、大学や学生の間では「オンライン留学」に活路を求める動きが広がっている。早稲田大や明治大は留学を予定していた学生を対象に、海外大の講義のオンライン受講を単位として認める方針だ。

奨学金支給の動きもあるが、欧米との時差や学習意欲の維持など課題も浮き彫りとなっている。

「昼夜逆転で大変だったが何とかやり切った」。慶応大3年の増野里沙さん(22)は2019年9月から米西海岸の大学に留学したが、20年3月に緊急帰国を余儀なくされた。その後は留学先の講義をオンラインで受講し、当初予定していた課程の修了にこぎ着けた。

文部科学省は3月末から海外留学の中止や延期の検討を呼びかけており、現地滞在の打ち切りだけでなく、新規の派遣も事実上ストップした。

芝浦工業大はコロナ禍前に欧米やアジアで実施していた2~3週間の英語研修をオンラインに切り替えた。8月には約130人がベトナムとグアムの協定校の授業を受けた。早稲田大や明治大は交換留学の延期や中止が決まった学生を対象に、派遣予定先が提供するオンライン授業を単位として認める方針だ。

1年間の海外留学が卒業要件の国際教養大では、各学生が企業インターンシップと米ハーバード大などが参加する公開オンライン講座「MOOCs(ムークス)」の受講を組み合わせた学習計画を立案する。これを終えれば留学と同等と判断、卒業を認める特例措置を講じた。

経済面から支援する動きもある。官民共同の留学促進施策「トビタテ!留学JAPAN」は緊急帰国した学生がオンラインでの学習継続を希望すれば、奨学金支給を続ける方針を固めた。対象者は約100人にのぼる。

一方で、オンラインならではの課題も表面化している。講義映像を視聴するだけでは緊張感を保つことが難しく、時差への対応で生活リズムは乱れる。「教授にその場で質問できないストレスは大きい」「同級生との接点が少なく孤独だ」といった学生の声もある。

国際教養大の熊谷嘉隆副学長は「異国の地で異なる文化や価値観を持つ学生と時間をともにすることは成長に欠かせない」と現地に赴く意義を強調する。そのうえで、「知識の習得はオンラインでも十分できる」と述べ、語学や専門分野の研さんを続けたり、将来の留学機会に備えたりすることが重要だと説く。(平岡尚樹)

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