米デルタ航空、パイロット1900人の削減回避 労使が合意
【ニューヨーク=大島有美子】米デルタ航空とパイロットの労働組合が30日までに、2022年1月1日までパイロットの人員削減をしないことで合意した。給与を保証する月間の最低労働時間を5%減らし、人件費を圧縮する。

デルタは政府による雇用支援が切れる10月に1900人超のパイロットを無給休暇扱いにして削減する方針だったが、回避に向けた労使交渉が続けられていた。デルタのパイロットの人数は19年12月時点で1万3000人。今回の合意により、既に無給休暇に入っているパイロットは職場に戻れる。
最低労働時間を減らす代わりに、会社側はパイロットに対して退職後向けに税の優遇を受けられる積み立て型の保険を新設する。
米人材情報サイトのペイスケールによると、デルタのパイロットの平均年収は15万ドル(1566万円)。時給で30ドル超とされる客室乗務員などと比べて給料が高く、人件費圧縮の上でパイロットの扱いが焦点となっていた。
新型コロナウイルスの感染拡大により国際線を中心に航空需要は低迷。デルタは8月、「21年夏に必要なパイロットの人数は(現状の3割減の)9450人」(幹部)との見通しを示していた。
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