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トルコリラ5日連続最安値を更新 トランプ氏苦戦が重荷

(更新)
トルコリラは下落が続く(10月、イスタンブールの両替店)

【イスタンブール=木寺もも子】トルコリラが急落している。30日まで5日連続で対ドルの最安値を更新し、1週間で約5%下げた。米欧との亀裂が広がる中、対トルコ制裁に反対してきたトランプ米大統領の再選が確実視されていない点も市場の懸念を招いている。

リラは週初の26日に1ドル=8リラの心理的節目を割り込むと、そのまま8.3リラ台後半まで滑り落ちた。30日午後、西部イズミル沖のエーゲ海で地震が起きた後も下げ続けた。年初からの下落率は約3割になった。

米国務省高官は28日、対トルコ制裁を発動させる可能性は「とても現実的だ」と発言した。エルドアン大統領は25日、ロシアから購入した地対空ミサイル「S400」の発射実験を行ったことを認めたうえで「制裁するなら早くすればよい」と述べていた。

S400の導入は米国の対ロシア制裁法に抵触するとみられるが、これまでエルドアン氏との関係を重視するトランプ氏が発動に慎重な姿勢を見せてきた。

民主党候補のバイデン前副大統領はトルコへのより厳しい姿勢で知られる。米世論調査ではバイデン氏がトランプ氏を引き離しており、こうした事情がリラの重荷になっているとの指摘は多い。

対欧州でも摩擦が広がる。東地中海でのガス田権益の対立に加え、26日にはフランス国内でのイスラム教徒への扱いをめぐってエルドアン氏自らが仏製品のボイコットを呼びかけた。

足元の経済指標は振るわない。30日発表された1~9月の貿易赤字は378億ドル(約4兆円)で、前年同期比8割増えた。外貨獲得源の観光収入は7割減。リラ下支えのために外貨売りを繰り返した結果、中央銀行の外貨準備は昨年末から半減しており、国際収支危機への懸念が高まる。

中銀が前週の金融政策決定会合で、主要な政策金利の1週間物レポ金利(10.25%)を据え置いたことも失望された。中銀は30日、より高い別の金利を使い、国内銀行が実際に資金調達する際の金利を引き上げた。

「実質利上げ」は低金利を好むエルドアン大統領に配慮した苦肉の策と受け止められている。金融政策の不透明性がかえって嫌気され、リラ安は止まらなかった。

トルコではエルドアン氏が呼びかけた仏製品のボイコットが目立たない代わり、ツイッターでは「こんな為替水準で仏製品を買えると思っているのか」と政権を皮肉る声が飛び交っている。

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