ニコン最終赤字320億円 20年4~9月期、減損で拡大
ニコンは30日、2020年4~9月期の連結最終損益(国際会計基準)が320億円の赤字(前年同期は163億円の黒字)になったようだと発表した。従来予想(250億円の赤字)から70億円下ぶれる。映像事業の生産設備などで189億円の減損損失を計上。棚卸し資産の廃棄・評価損も発生した。
営業損益は470億円の赤字(同175億円の黒字)と従来想定から70億円減った。新型コロナウイルスの感染拡大でデジタルカメラの販売が落ち込み、生産拠点のタイ工場の設備を中心に減損処理をした。
半導体製造装置などの精機事業は、在庫の一部を設備に転用するなどして約107億円の廃棄・評価損を計上。売上高は従来予想を100億円上回るものの、損失を吸収できない。
21年3月期の業績予想は売上高が前期比27%減の4300億円とした。4~9月期の上振れを反映し、見通しを100億円引き上げた。営業損益以下は予想を据え置いた。4~9月期は一時的な損失が発生したものの「足元の業績回復基調を踏まえた」(同社)としている。
ニコンはコロナ禍による需要減で映像事業が、技術者の渡航制限などで精機事業がそれぞれ苦戦している。8月時点では、事業環境の悪化による営業損益の下振れリスクとして200億円分の損失を織り込んでいた。
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