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電力10社の時価総額、デンマークの風力大手に及ばず

投資家の脱炭素志向鮮明に

電力大手10社の2020年4~9月期決算が30日出そろい、9社が前年同期比で減収だった。新型コロナウイルス禍で工場やホテルの稼働時間が短くなり、電力需要が減った。世界的な「脱炭素」の動きで、火力発電で化石燃料を多く使う電力会社への投資を避ける傾向も強まっている。10社合計の時価総額は海外の再生可能エネルギー大手1社に抜かれた状態だ。

関東地域での販売が拡大した九州電力を除く9社が減収だった。経常利益は7社で増えたが、燃料価格の下落や修繕費の減少など一過性の要因による企業が多い。電力の自由化によって顧客の獲得競争が激しくなっていたところにコロナ禍が重なり経営環境は厳しい。

30日に4~9月期決算を発表した中部電力でも売上高が1兆4519億円と8%減った。経常利益は2%増の1464億円だったが、燃料価格の下落による増益で、燃料の影響を除く実質ベースでは2割の減益になる。新型コロナは販売電力量の減少や余った液化天然ガス(LNG)の売却損などで260億円ほど利益を押し下げた。

電力大手が対応を迫られているのが中長期的な脱炭素化だ。株式市場では機関投資家などが環境負荷によって投資先の銘柄を選ぶ傾向が強まっており、石炭やLNGなどを発電に用いる電力大手の逆風になっている。

QUICK・ファクトセットによると、電力大手10社合計の時価総額は10月下旬時点で約400億ドル。19年末に比べて16%減った。対照的に再エネ事業者には投資マネーが流れ込み、洋上風力発電で世界首位のオーステッド(デンマーク)の時価総額は20年に入り10社の合計を上回った。10月下旬では約620億ドルに達する。

主要国の政策でも温暖化対策が本格化し、菅義偉首相も50年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにする目標を打ち出した。電力大手は環境負荷の低い発電設備への置き換えなどが必要になり、コスト増などが収益に響くとみられている。

電力大手も環境対応を急ぐ。東京電力ホールディングスはオーステッドと提携し国内での洋上風力開発を目指している。販売電力に由来する二酸化炭素(CO2)の排出量を31年3月期に14年3月期比で半減させる目標も公表した。Jパワーも老朽化した発電効率の低い石炭火力発電所の休廃止を検討する。脱炭素化のうねりのなかで電力会社の収益モデルも変革を迫られている。

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