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九州電力、今期黒字へ 会計方法の変更大きく

九州電力は30日、2021年3月期連結決算の業績見通しを発表した。最終損益は前期の4億円の赤字から、300億円の黒字を確保する見通しだ。ただ、固定資産の減価償却費の計算方法を変更した効果が大きく、本質的な利益水準の回復はできていない。池辺和弘社長は22年3月期までの業績目標について「達成は困難」として、一部の経営戦略を見直す考えも明らかにした。

決算発表する九州電力の池辺社長(30日、福岡市)

九電はこれまで、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で今期の業績見通しを公表していなかった。売上高は前期比2%増の2兆600億円、経常利益は12%増の450億円となる見通し。配当は年間で35円と、前期水準を維持する。

今期から、発電所設備などの有形固定資産の減価償却方法を「定率」から「定額」に変更している。これにより計上する減価償却費が全体で年間520億円減り、利益の押し上げ要因になる見込みだ。

コロナの影響については、業務用需要の減退などで210億円ほどの下押し要因になるとした。対テロ施設の建設遅れで停止中の川内原子力発電所の1.2号機(鹿児島県薩摩川内市)はそれぞれ当初の想定より1カ月早く再稼働する見通しだが、代替する火力発電の燃料コストが膨らみ、原発の停止等によるコスト増は約190億円を見込む。一方、九州域外での電力販売の伸びなどで電力の総販売量は増える。

九州の電力需要は4~6月が前年同期比4.1%減だったが、7~9月は猛暑などの影響もあり0.1%減だった。10月以降の電力販売などの見通しは、9月など足元の状況を踏まえて算定しているとした。

九電は減価償却の計算方法の変更について「利益を押し上げる目的でしたものではない」としている。ただ池辺社長は「それがなければ赤字(の見通し)」と認めた。その上で「原発なしで利益を出す効率的な体質ができてきており、原発の稼働以降は筋肉質なままで利益を上乗せできる」と説明した。

同社は17年、22年3月期までの5年間で年平均1100億円の経常利益を出すとの経営計画を立てていた。池辺社長は「達成は難しく、総括する必要がある」とし、新たな戦略をまとめる考えを示した。

同日発表した20年4~9月期の連結決算は、最終利益が前年同期の8.8倍の630億円だった。売上高は4%増の1兆605億円、経常利益は4.8倍の825億円だった。(中川雅之)

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