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陸運3社が今期上方修正 宅配便好調、企業物流も上向く

陸運大手4社の2020年4~9月期決算が30日出そろった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う巣ごもり需要で宅配便の需要が増え、SGホールディングス(HD)とヤマトホールディングスが大幅増益となった。経済活動の再開で企業物流も上向き、日本通運日立物流は減益幅が縮小し、3社が21年3月期業績を上方修正した。

SGHDの20年4~9月期の連結営業利益は前年同期比41%増の524億円と同期間として過去最高益となり、4社の「稼ぎ頭」となった。医薬品の輸送量増加などもあり、宅配便の個数が6億8600万個と5%増えた。急伸した個人用防護具の輸送需要を航空貨物で「機動的に吸収した」(川中子勝浩取締役)といい、ロジスティクス事業も50億円強の増益要因となった。

ヤマトHDの営業利益は269億円と、宅配便個数が落ち込んだ前年同期からの反動もあり4.3倍に増えた。同社は人件費や外注費など高コスト体質の改善が課題となっていたが、データ分析に基づいた人員配置の見直しなどで営業費用を抑制。コロナ禍で外出が減って再配達コストが下がったことも寄与した。

企業物流が主体の日本通運と日立物流の業績も持ち直しつつある。4~9月期の営業利益は日通が28%減の208億円、日立物流(調整後営業利益)が7%減の153億円と、それぞれ58%減と12%減だった4~6月期からは持ち直した。自動車生産を中心に、北米や欧州での製造業の物流が回復しているのが追い風となった。

足元で堅調な経営状況を受け、21年3月期の業績見通しは、日立物流以外の3社が上方修正した。Eコマースの拡大に加え「半導体やクリスマス商戦向け商材で輸送需要増が見込まれている」(日通の石井孝明副社長)ためだ。

国内では「Go To」事業など消費需要喚起策の効果もあり、サービス業も含め景況感が持ち直しつつある。一方、欧米では感染再拡大を受けてフランスが1カ月の都市封鎖(ロックダウン)に入り、ドイツも飲食店を閉鎖、米国でも各州で経済活動の制限が始まった。

企業物流の先行きは楽観できず、日通や日立物流にとっては4~6月期の逆境が再来する可能性もある。株式市場でも、宅配が主体の2社と企業物流の2社で評価が二分している。

コロナ下での収益性向上に向けて、陸運各社は構造改革を進める。日通は「トップライン(売上高)の伸びは期待できない」(堀切智副社長)と判断し、収益改善の見込めない分野については「思い切ったリストラ」(同)で人員を成長分野に振り向ける。ヤマトHDは「労働人口が減少するなかで自前主義にこだわらない」(芝崎健一副社長)方針で、メール便の配達の一部を日本郵便に委託して宅配便に経営資源を集中する。(松川文平)

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