電子署名の普及阻む「実印」の発想
ハンコ文化を問う(中)
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ハンコ万能主義が根強く残る日本に対し、欧米ではいち早くハンコから署名に利用の主流が移った。近世ヨーロッパではハンコをステータスシンボルとして、手紙の封印に使っていた貴族階級が没落。教育の普及と個人の意識が高まったことで、19世紀以降は、署名だけで済ませる社会的慣習が次第に一般化した。
欧米では20世紀末から21世紀にかけて登場した電子商取引にも素早い対応が進んだ。インターネットによって様々な商品の...
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