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米、対中国包囲網へインドネシアに接近 外相会談

【ジャカルタ=地曳航也】アジア諸国歴訪の一環としてインドネシアを訪れたポンペオ米国務長官は29日、首都ジャカルタでルトノ外相と会談した。経済協力などを通じたインド太平洋地域での両国の連携の強化を確認した。中国の海洋進出を抑制するうえで、太平洋とインド洋の間に位置するインドネシアを重視する姿勢を鮮明にした。

29日、ジャカルタで会談したポンペオ米国務長官(左)とルトノ・インドネシア外相(インドネシア外務省提供)=AP

ポンペオ氏は会談後の共同記者発表で、中国が軍事拠点を建設する南シナ海について「我々は中国共産党の不法な主張を受け入れない」と強調した。ルトノ氏は南シナ海の南方にあたり、石油・天然ガスを埋蔵するインドネシア領ナトゥナ諸島の周辺の排他的経済水域(EEZ)で中国船が活動する現状を踏まえ、同諸島に対する米国からの投資を促した。

ポンペオ氏はその後、ジャカルタ郊外のボゴールの大統領宮殿でジョコ大統領とも会談した。

ポンペオ氏が一連の会談で強調したのは「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けたインドネシアの重要性だ。直前に訪問したインドに日本、オーストラリア、米国を加えた4カ国の枠組みのほか、インドネシアを含む10カ国で構成する東南アジア諸国連合(ASEAN)にも連携の輪を広げ、対中国の包囲網を構築しようと努めた。

一方、インドネシアに対しては中国も貿易、投資など経済の結びつきを通じて影響力を強めている。米国防総省は9月の報告書で、中国がインドネシアを含むアジア、アフリカなどの12カ国に軍事拠点を確保しようとしていると指摘した。

ポンペオ氏はルトノ氏との会談で新型コロナウイルスのワクチン提供など防疫面での協力を打ち出した。インドネシアへのワクチン提供の表明では中国が先行する。

インドネシアは、ASEAN軽視とみられていたトランプ米政権が域内への関与を強める方針転換を打ち出したことは歓迎する。だが、インド太平洋協力の「軍事化」には慎重な姿勢をみせる。

ロイター通信によると、米国は7月から8月にかけ、南シナ海を警戒監視する哨戒機P8がインドネシア領内に着陸し給油を受けるための許可を求めたが、インドネシア側が拒否した。

インドネシアがインド太平洋協力の軍事化から距離を置くのは、自由で開かれたインド太平洋を「インド太平洋版の北大西洋条約機構(NATO)」とみなす中国の反発を懸念しているためだ。

ポンペオ氏は29日、インドネシアの主要イスラム団体ナフダトゥル・ウラマー(NU)の青年組織と対話した。ポンペオ氏は中国共産党が同国西部の新疆ウイグル自治区で住民のイスラム教徒を弾圧しているとされる問題に触れ、「信教の自由の将来に関して、最も深刻な脅威だ」と訴えた。

インドネシアのイスラム教徒は2億7千万人の人口の約9割で、国別の最多。同国は人口、国内総生産(GDP)がいずれもASEAN全体の約4割を占める。2019年にASEANが発表した独自のインド太平洋構想の策定を主導した。

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