台湾UMC、罰金63億円で米と和解 中国への技術漏洩

米中衝突
中国・台湾
アジアBiz
2020/10/29 14:02
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【台北=中村裕】台湾半導体大手の聯華電子(UMC)は29日、中国への技術漏洩を巡る裁判で、米国側と正式に和解が成立したと発表した。UMCが米企業の技術を中国側に漏洩したことを認めた。米司法省に6千万ドル(約63億円)の罰金を支払う司法取引で合意し、米連邦地裁が同内容を認め、判決が確定した。

台湾半導体大手のUMCは、中国への違法な技術流出を認めた(10月、新竹市)

UMCが技術を流出させた企業は、中国の半導体メーカーの福建省晋華集成電路(JHICC)。米半導体大手マイクロンに勤務経験のあるUMCの複数の社員がJHICCに対し、半導体メモリーのDRAMに関するマイクロンの技術を渡していた。

マイクロンは2017年にUMCを提訴し、米司法省が18年11月、産業スパイの罪などでUMCを起訴した。米カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は29日、UMCに6千万ドルの罰金の支払い、3年間の執行猶予付きの有罪判決を下した。

裁判で、UMCは2人の社員による中国企業への技術流出を認めた。だが、組織ぐるみの可能性は否定した。経営側に管理上の問題があったことは認めた。

起訴内容では、米国がUMCに対し87億5000万ドル(約9140億円)の賠償および罰金を科す可能性を指摘し、米中を股に掛けた半導体のハイテク技術覇権を巡る裁判として注目された。

判決を受け、UMCの経営トップの洪嘉聡・董事長は「当社の売上高の3分の1以上は米国からのもので、非常に長い関係がある。米政府との協議が成立したことに感謝し、うれしく思い安心した」との声明を発表した。

JHICCは、2016年設立の半導体メーカー。中国の国策企業とされる。中国政府が15年に発表した次世代産業発展政策「中国製造2025」では半導体の強化を急務とし、直後に設立された同社がDRAMの有力企業になるはずだった。

だが、UMCを介した米国技術の流出を受け、米商務省は18年10月、JHICCを米国の安全保障上の重大なリスクと判断した。「エンティティーリスト」に加え、半導体製造装置など米国製品の輸出を規制した。そのため、同社はDRAMの工場を完成させ、UMCからの技術取得にも成功したが、米国から重要な設備については搬入できなくなった。現在、同社のDRAM事業の先行きが危ぶまれている。

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