上半期の路線価据え置き 都市部では15%超下落も

2020/10/28 19:33
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新型コロナウイルスによる経済活動への影響から、国税庁が検討していた1~6月分の路線価の減額補正が28日見送られた。大部分の地域の地価(時価)が路線価を下回らなかったためだが、一部に15%以上下落した地域もあった。相続税などの算定基準だけに人々の関心は高く、同庁は「引き続き地価の動向を注視したい」としている。

国税庁は減額補正の条件について「広範な地域で大幅な地価下落が確認された場合」としていた。かねて路線価は地価の8割程度に設定されており、2割以上の下落幅が判断材料の一つと見られていた。

全国の市区町村、約1900カ所を対象にした同庁の調査によると、1~6月の間に15%以上下落したのは6カ所にとどまった。名古屋市中区錦3丁目と大阪市中央区宗右衛門町は19%下落し、東京都台東区浅草1丁目は16%下がった。

いずれも訪日外国人(インバウンド)の増加などで地価が上昇していた地域。浅草で老舗旅館を営む60歳代の女将は「今は海外からのお客さんは全くいない。予約は例年に比べて半分以下の状態だ」と肩を落とす。

みずほ信託銀行系の都市未来総合研究所によると、上場企業などによる4~6月の不動産売買額(公表ベース)は前年同期比で約6割減少。7~9月期は反動などもあり同4割増となった。

平山重雄・常務研究理事は「大型物流施設の取引などがあり、不動産の売買は一部で回復傾向となっているが、新型コロナの影響は読み切れず、地価は現状維持か下落傾向が続くのではないか」と指摘。経済活動の低迷が予断を許さないなか、国税庁は7~12月分の地価への対応について改めて判断する。

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