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JR四国、4~9月の運輸収入64%減 終電前倒しへ

JR四国は28日、2020年度上期(4~9月)の運輸取扱収入が前年同期比64%減の71億円だったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響による減収額が114億円にのぼると試算した。西牧世博社長は業績改善に向け、終電時刻の前倒しの可能性などを表明した。ただ、抜本策にはほど遠く、黒字化への道筋は示せていない。

西牧社長は「12月にダイヤ改正の方向性を示す」と述べた(28日、高松市)

運輸収入は通勤・通学の「定期利用」と乗車券などの「一般利用」からなる。定期利用は26%減なのに対し、主力の一般利用は71%減と大きく落ちこんだ。一般利用は四国内と四国―本州間に分かれる。直近の9月は四国内が前年同月比4割減まで戻したものの、四国―本州間のうち岡山県が55%減、関東圏が7割減と遠いほど悪い。旅行や出張の減少が響いた。

利用者が減っていることを踏まえ、10月から予讃線などの5路線で普通列車の終電6本を運休している。西牧社長は28日の記者会見で、21年春以降のダイヤ改正に「そのまま反映する可能性が高い」と述べた。実施されれば減便、終電時刻の前倒しになる。ダイヤ改正の詳細は12月にも公表する。岡山―高松間の快速「マリンライナー」でも減便を検討する。

9月に発表した20年4~6月期の営業損益は76億円の赤字だった。同社は国の支援措置である経営安定基金の運用益を営業外損益に計上し、経常黒字を維持してきた。利用減少によって同期の経常損益は48億円の赤字に転落している。

20年4~9月期の決算は11月上旬に公表する。決算に換算した同期の鉄道事業の運輸収入は前年同期比55%減となり、営業・経常損益の赤字幅は拡大する公算が大きい。終電時刻の前倒しなどだけでは、早期の業績改善は難しい。

減収を補うため運賃引き上げの検討を9月に始めた。しかし、西牧社長は先行きの需要を見通しにくいだけに「具体的な数字は新型コロナが落ち着かなければ着手できない」と述べた。改定するまでに1年半ほどかかると試算している。

足元では国の旅行需要喚起策「Go To トラベル」の効果から、観光列車の稼働率が9割になるなど一部の列車は好調。それでも観光列車の売上高は年間6億円程度と「収入に占める割合は低い。需要喚起の妙案がなく、手詰まりの状態」(西牧社長)にある。

JR四国は20年中にも5カ年の中期経営計画を公表する。経常黒字を目標としていた20年3月期が20億円の赤字となり、国土交通省から指導を受けたことにもとづく措置となる。業績改善への道筋をつけられるか。正念場を迎えている。

(亀井慶一)

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