
成熟した民主主義、国全体の利益に 村中璃子氏
パクスなき世界 独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員
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新型コロナウイルス対策では国家の強制力と国民の自由とのバランスが問われた。世界保健機関(WHO)で新型インフルエンザ対策に従事し、現在は独ベルンハルト・ノホト熱帯医学研究所研究員の村中璃子氏に、医師の立場から国家の安全保障と民主主義について聞いた。
――疫病対策は国防に直結すると主張しています。
「感染症への備えは医療だけの問題でなく、軍事や国防の要でもある。生物兵器を使ったテロへの警戒にもなり、ワクチンや新薬の開発は外交の切り札にもなる。米国やロシアのウイ...
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新型コロナウイルスの危機は世界の矛盾をあぶり出し、変化を加速した。古代ローマの平和と秩序の女神「パクス」は消え、価値観の再構築が問われている。「パクスなき世界」では、どんな明日をつくるかを考えていく。