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米加州で個人情報保護の住民投票、企業の責任さらに重く

【シリコンバレー=白石武志】米カリフォルニア州は11月3日の米大統領選投票日にあわせ、12件の住民投票を実施する。中でも注目を集めるのが、同州が全米に先駆けて2020年1月に施行したプライバシー保護法に修正を加える提案だ。企業の責任はより重くなる。投票結果は州内の産業界だけでなく、追随する他州の政策にも影響を与えそうだ。

カリフォルニア州では大統領選にあわせて実施される住民投票にも注目が集まっている

州内で事業を手掛ける企業により厳しい個人情報保護を義務づけるよう求めて提案されたのが、「プロポジション24」と呼ぶ住民立法案だ。1月に施行した州法「消費者プライバシー法(CCPA)」を強化する内容で、違法行為を取り締まる「消費者プライバシー保護局」の設立などを盛り込んだ。

法案では社会保障番号や金融口座、健康状態、人種、宗教的信条などに関するデータを「センシティブな個人情報」と定義し、企業により厳格な管理を求めている。一方、CCPAに比べ規制対象となる企業の要件を緩めるなど、中小・零細企業の負担に配慮した。

プロポジション24は州議会にCCPAの策定を働きかけた市民団体が提案したものだ。住民投票にかけるために必要となる署名数(約62万筆)を上回る90万筆超の賛同を集めたといい、米専門家の間では11月の住民投票で可決し、23年1月に発効する可能性が高いとみられている。

18年に州議会を通過したCCPAは規制推進派と反対派の駆け引きの末に、施行の直前まで改正作業が続いた。州司法長官による取り締まりなどの法執行は20年7月に始まったばかり。このタイミングでルールに大きな変更を加えることは、対応を迫られる産業界に混乱を招くとの懸念もある。

個人情報を広告事業などに活用するグーグルやフェイスブックなどの米ネット大手は、CCPAの策定の際には規制を骨抜きにする改正を目指して水面下で大がかりなロビー活動を繰り広げたと報じられている。ただ、プロポジション24について、各社は自らの立場をほとんど発信していない。

ネット大手の沈黙を巡っては、プライバシー保護を強化するという法案の趣旨に懐疑的な見方も浮上している。人権団体の全米市民自由連合(ACLU)はプロポジション24について「大企業のために反プライバシーの抜け穴を用意している」と主張し、反対票を投じるよう呼びかけている。

CCPAは18年5月に施行した欧州連合(EU)の一般データ保護規則(GDPR)に倣ったルールで、違反した企業に対し個人は損害賠償を請求できる。プライバシー意識の高まりを背景に、ニューヨーク州など複数の州で追随する動きが広がっている。リベラル色が強く、個人情報や環境などの分野で規制づくりをリードしてきたカリフォルニア州民の判断は、米国全体に影響を与える可能性がある。

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