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海外航空 赤字拡大 ANA・JAL 自力再建を優先

世界の航空会社の業績悪化に歯止めがかからない。新型コロナ感染の拡大による需要低迷が長引き、各社とも浮上のきっかけがつかめない。ANAホールディングス日本航空(JAL)は自力再建を進めているが、不需要期の冬に入ると世界の航空会社の経営はさらに厳しくなりそうだ。

国際航空運送協会(IATA)によると、2020年の世界の航空需要規模が前年比66%減になる見通し。国際線がほとんど回復せず、世界の航空会社の20年の最終赤字合計額は843億ドル(約9兆円)に膨らむ見通しだ。

赤字額が大きいのはデルタ航空など米航空大手3社だ。20年7~9月期だけで3社の最終損益合計は96億ドル(約1兆円)の赤字(前年同期は29億ドルの黒字)となった。米系航空会社は固定費負担が比較的重く、売上高が前年同期比で約4分の1に縮小したことで赤字が急拡大した。

ANAやJALも同程度に売上高が急減している。

ただ、ANAの7~9月期最終赤字は約800億円と米ユナイテッド航空の同18億ドル(約1900億円)やデルタ航空の53億ドル(約5600億円)に比べ一定程度にとどまる。今後、7~9月期決算が本格化する欧州勢に比べても赤字幅は限定的とみられる。

背景には、コロナ前まで日本勢は継続的に経営体質を強化してきたことがある。ANAは整備や客室の現場でコスト削減を積み重ねるなどして、経営破綻で手厚い再建支援を受けたJALに迫る利益を上げてきた。当面のコロナ下でも、ANAやJALは人件費抑制や政府に頼らない資金調達など自力による再建を優先する考えだ。

もっとも、需要低迷が長引くと国内航空もリストラ費用がかさみ赤字幅が拡大する恐れがある。欧米でコロナ感染再拡大の勢いが増している。本格的に航空需要が落ち込む時期に入る年明け以降には、欧州勢などの経営危機が深刻化する可能性がある。

ANAやJALにとっても国際線の回復が見込みにくい中、国内線がどの程度回復するかが焦点になる。同時に賃金の高いパイロットの人件費抑制など平時に難しかったコスト削減策にも大胆に取り組む必要がありそうだ。

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