共通テスト、記述式導入「反対」84% 大学アンケート

文部科学省は27日、国公私立大の学部ごとに入試改革について尋ねたアンケートの結果を公表した。「大学入学共通テストに記述式問題を出題すべきか」との質問に肯定的な回答をしたのは15%にとどまり、否定的な回答が84%に上った。
大学入試改革に関連した大規模な文科省調査は初めて。共通テストに英語民間検定試験を活用することにも慎重意見が目立った。
調査は2020年7~9月に実施。全国の大学の91%に当たる699校の約2200学部が回答した。
共通テストに記述式を出題すべきかについて「とてもそう思う」と「そう思う」が計15%。「あまりそう思わない」と「そう思わない」は計84%だった。特に国立大では6%しか肯定的な回答がなかった。
英語の「読む・聞く・書く・話す」の4技能のうち「書く」「話す」の2つを問うのに民間試験を活用することについても肯定的回答は32%となり、否定的回答の67%を大きく下回った。
一方、各大学個別の一般入試で記述式を充実させることには59%が肯定的で、否定的な答えは40%だった。国公立大はいずれも80%近くが肯定的だったが、私立大では52%にとどまり、私立大が記述式に慎重な姿勢がうかがえた。
大学ごとの一般試験で英語の民間試験を活用すべきだとの答えは45%に上り、「入学後に大学が独自に2技能を評価すべきか」には77%が肯定的に答えた。
文科省は入試改革の柱として共通テストに「記述式」と「英語民間検定試験」の導入を計画したが、批判が広がり19年、中止となった。引き続き検討を進めており、今回の調査結果は改革の議論に影響を与えそうだ。〔共同〕