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AMD、ザイリンクスを3兆6000億円で買収 株式交換で

(更新)
AMDは好調な株価を背景に大型買収に踏み切る(写真は同社のプロセッサー)

【シリコンバレー=佐藤浩実】米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は27日、同業の米ザイリンクスを買収すると発表した。株式交換による買収額は350億ドル(約3兆6000億円)。中長期で成長が見込めるデータセンターや通信分野の事業基盤を強化し、米インテルや米エヌビディアに対抗する。

規制当局の承認取得を進め、2021年末までの統合をめざす。買収はすべて株式交換で実施し、ザイリンクス株1株に対してAMD株1.7234株を割り当てる。

AMDはパソコンやサーバー向けのCPU(中央演算処理装置)とGPU(画像処理半導体)を手掛け、今年9月末までの12カ月間の売上高は86億ドルだった。同じ期間の売上高が780億ドルだった競合のインテルと比べると規模は小さいが、新製品の売れ行きが好調で足元ではシェアを伸ばしている。

ザイリンクスは「FPGA」と呼ぶ半導体に強みを持つ。FPGAは回路の構成を変更でき、汎用性に優れるCPUと、用途を絞って省電力性を高めた専用半導体の両方のメリットを備えるのが特徴だ。最近はデータセンターでの利用が増えており、ザイリンクスの直近12カ月の売上高は30億ドルだった。

AMDは1969年に発足し、パソコン向けCPUなどで米インテルと競合している=AP

FPGAをめぐってはインテルが15年に、ザイリンクスに次ぐ規模の売上高があった米アルテラを167億ドルで買収した。人工知能(AI)の膨大な計算を効率良く行うため、データセンターでCPUの代わりにFPGAを使う動きが出てきたためだ。AMDによるザイリンクスの買収もこの戦略を踏襲するものとなる。FPGAはエヌビディアが得意なGPUとも競合する。

AMDは長らくCPUの下位メーカーに甘んじていたが、近年は生産委託先を台湾積体電路製造(TSMC)に切り替えるなどてこ入れを進めてきた。新型コロナウイルス禍のパソコン特需もあり、株価は20年初めと比べて6割上昇。時価総額は10月26日の終値ベースで960億ドルに達していた。好調な株価を生かしてM&A(合併・買収)に踏み切る。

20年に入り、半導体業界では大型M&Aの発表が相次いでいる。7月には米アナログ・デバイセズ(ADI)が同業の米マキシム・インテグレーテッド・プロダクツを209億ドルで買収すると表明。9月にはエヌビディアがソフトバンクグループ傘下の英アームを最大400億ドルで取得する計画を公表した。株式交換を活用し、現金の持ち出しを抑える点も共通する。

ただハイテク技術の根幹となる半導体企業の再編は、各国・地域の当局による審査にてこずることも少なくない。例えば18年3月にはトランプ米大統領が、当時シンガポールに本社を置いていたブロードコムによる米クアルコムの買収を禁じる大統領令を出した。同年7月には想定の期日までに中国当局の承認を得られず、クアルコムによるNXPセミコンダクター(オランダ)の買収が破談になった。

AMDとザイリンクスはともに中堅規模の半導体企業で、独占禁止法に触れるリスクは少ないとみられる。だが、スムーズに手続きが進むかどうかは予断を許さない面もある。

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