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米司法、保守派が多数確立 最高裁にバレット判事就任

(更新)
26日、ホワイトハウスの宣誓式に出席したバレット氏(左)=ロイター

【ワシントン=中村亮】米連邦最高裁判所での宣誓式を経て、保守派のエイミー・バレット氏が27日、最高裁の判事に正式に就任した。上院は26日にバレット氏の判事就任を承認。これにより、保守派判事が最高裁で多数を固めることになる。トランプ大統領は来週に迫った大統領選の決着を最高裁に持ち込む構えで、選挙前の承認にこだわった。

「彼女は我が国で最も優れた法学者の一人だ」。トランプ氏は26日、ホワイトハウスで開いたバレット氏の宣誓式で強調した。バレット氏は「政治から独立して職務を担う」と述べ、合衆国憲法に従うと強調した。

リベラル派のギンズバーグ判事が9月に死去したのに伴い、後任を決める権限を持つトランプ氏は保守派のバレット氏を指名した。判事9人のうち保守派が6人、リベラル派が3人となる。

これまでも保守派が5人と過半数だったが、共和党のブッシュ(子)大統領が指名したロバーツ長官が案件によってはリベラル派の主張を認めることがあった。バレット氏が加わり保守色がいっそう強まることになる。

トランプ氏による保守派判事指名は3人目。共和党支持者からは「トランプ政権の最大の功績」と評価する声は多い。判事は終身制で、今後も長く米国社会に影響を与える可能性が高いためだ。

1973年の「ロー対ウェイド判決」では人工妊娠中絶を合衆国憲法が認める女性の権利と認めた。最高裁は同性婚や銃規制など、政権の方針が合憲かどうかを判断し、実質的にお墨付きを与える役割を担ってきた。

今回の指名から承認までにかかったのは約30日間。議会調査局によると、19日間で判事を承認した1975年以来の短さだ。当時は全会一致だったが、バレット氏は賛成52票、反対48票。民主党は委員会採決を欠席するなどして抵抗した。

トランプ氏が承認を急いだのは再選に向けた実績づくりに加え、大統領選の結果を争う訴訟をにらんだものとみられる。

トランプ氏は26日の東部ペンシルベニア州での選挙集会で、同州の期日前投票を巡る訴訟について「最高裁に持ち込む」と訴えた。支持者が投票所から閉め出され、不正行為があると主張した。9月下旬には郵便投票は「不正の温床だ」として選挙で敗れたら最高裁まで争う考えを示唆した。

バレット氏は就任後、郵便投票などの訴訟に携わる可能性がある。米メディアによると南部ノースカロライナ州は、投票日11月3日の消印を条件に、郵便投票用紙の選挙当局への到着期限を6日から12日に延ばす見通しだ。民主党員ほど郵便投票を使う傾向があり、共和党は期限延長は認められないとして最高裁に棄却を求める。

最高裁は26日、中西部ウィスコンシン州で郵便投票の到着期限を延ばすべきだとの主張を保守派判事5人の反対で棄却した。バレット氏が加わり保守派の影響力が増すと、ノースカロライナ州などの延長も認められない可能性が高まる。

民主党はバレット氏の承認に猛反発した。オカシオコルテス下院議員は26日、ツイッターで最高裁判事の増員を求めた。保守派の影響力を薄めるため、定員を増やしてリベラル派を送り込む案だ。民主党のバイデン前副大統領は専門家委員会で増員の是非を検討する考えを示す。

バイデン氏は26日、低所得者に医療保険加入を促す制度に触れ「トランプ大統領に破壊させてはならない」とツイッターに書きこんだ。バレット氏ら保守派判事が同制度に批判的なことを念頭に置いたものだ。バレット氏は敬虔(けいけん)なカトリック教徒で、中絶にも反対している。

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