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米、台湾にまた武器売却 総額2500億円 中国は猛反発

【台北=中村裕】米政府は26日、台湾への対艦ミサイルシステムなど総額23億7000万ドル(約2500億円)の武器売却を承認し、議会に通知した。21日には空対地ミサイル(AGM)など総額18億ドル(約1900億円)強の武器売却を承認したばかり。米国から台湾への武器売却が加速している。

台湾は米国からの武器購入を増やし、軍事力の強化を急いでいる(7月、台中市)=ロイター

今回売却を決めたのは、「ハープーン」と呼ばれる米ボーイング製の対艦ミサイル最大400発のほか、ハープーンを搭載した沿岸防衛システム100基など。

21日にはボーイング製の空対地ミサイル「SLAM-ER」135発や、米ロッキード・マーチン製のロケット砲システム「HIMARS」など3種類の兵器システムの売却を承認したばかりだ。

オバマ政権時代は中国への配慮を優先し、台湾への武器売却を控えた。オバマ政権2期目の2013年からの4年間で承認したのはわずか1回にとどまる。一方、トランプ氏が大統領に就任してから武器売却が増えた。約4年間の在任中に台湾への武器売却を承認したのは今回で9回目だ。

総額は約174億ドル(約1兆8000億円)にのぼる。台湾の年間の国防予算の約3500億台湾ドル(約1兆2800億円)を大きく上回る規模だ。米中対立が過熱した19年から動きが速まった。米国が台湾に武器売却を承認した9回のうち、7回は19年以降に決めた案件となる。

19年7月には「M1A2エイブラムス戦車」108両や、地対空ミサイルなど総額22億ドル(約2300億円)の売却を承認した。さらに同年8月には、F16の新型66機を総額2472億台湾ドル(約8900億円)で売却することを決め、大型案件を矢継ぎ早に承認している。

台湾の総統府は27日、「米政府が先週、台湾に3種類の武器売却を決めたのに続き、再び重要な防衛システムを提供することを決めたことに深く感謝する」とのコメントを発表した。

台湾国防部のシンクタンクである国防安全研究院の蘇紫雲所長は、米国が今回決めた武器売却の意義について「台湾から先制攻撃はしないが、台湾沿岸から250キロメートルをミサイルで射程圏に入れた。対岸の中国・福建省も十分、台湾の陸地から攻撃できる射程内に入った」と指摘した。

そのうえで「中国軍はまだ台湾を十分に攻撃する能力は持たない。だが、軍事能力を引き上げており、台湾軍も5~10年前倒しで準備を進める必要がある」と語った。

米台の急接近で、中国はいら立ちを募らせ、対抗措置に出ている。中国は26日、台湾に売却予定の武器を製造する米ロッキード・マーチンやボーイングの関連会社、レイセオン・テクノロジーズなど軍事関連企業に制裁を科すと発表した。

軍事的な圧力も強めている。中国軍機は9月に、中国大陸と台湾を隔てる台湾海峡の「中間線」を越え、台湾側への侵入を繰り返した。さらに台湾南西部の防空識別圏にも10月に入ってから、計17日間(27日時点)にわたって侵入し、威嚇行為を繰り返している。

中国外務省の汪文斌副報道局長は27日の記者会見で「米国は中国の内政に干渉し、中国の主権と安全に重大な損害を与えている。(台湾への武器輸出に)断固反対する」とコメントした。

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