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DeNAベイスターズ、観客8割超実験「収容増の条件探る」

コロナ危機 地方から インタビュー編

横浜スタジアム(横浜市)で30日、プロ野球の収容人数を8割以上に引き上げる実証実験が始まる。試合を主催する横浜DeNAベイスターズの木村洋太副社長は「いまの感染対策でどこまで収容人数を増やせるか条件を模索する」と話す。木村副社長に狙いを聞いた。

「観客の協力が今後のエンターテインメントの未来を作っていく」と話す木村副社長

――なぜいま実証実験に取り組むのでしょうか。

「来シーズン開幕時に収容人数がどうなるかが大きな関心事だ。今シーズンが50%で終わってしまうと、来年の開幕も50%になる。そうなると、経営的にも厳しい。今期は数十億円の赤字を見込んでいる」

「東京五輪に向けての試金石という意味もある。この秋のうちに動きたいと神奈川県に働きかけた」

――多数の観客を入れての取り組みには批判の声もあります。

「専門家から意見を聞き取り組んでいる。検温やマスク着用のアナウンスなど、感染防止対策をこれまで以上に徹底する。可能な限りリスクを抑えたうえで実施する」

――ハマスタは東京五輪で野球・ソフトボールの会場になる予定です。

「技術検証の時に得たデータを組織委員会にも報告して、活用いただきたい。五輪に間に合わせるようにスタンド席を増設したので、やはり多くのお客さんをスタンドに入れて開催したい。大イベントを成功させて、コロナで沈んだ経済を回していくことが責務だ」

――例えば何を分析しますか。

「球場から駅に向けて観客が移動する様子を撮影する。どういう動線なら滞留リスクが減るか、実際の動きを見て初めて分かる部分もある。机上のシミュレーションだけではないリアルな人の動きが分かり、五輪運営のオペレーションにも生きてくる」

「単純に収容人数の上限をなくしたら観客が集まるかというと、そうではない。どういう状況なら来場者が増えるのか、つぶさに見ていく。例えば『ほかのグループと接触が少ないボックス席なら』という人が多いなら、球場のキャパシティーを減らしてでも同様の座席を増やす考え方もある。観客へのアンケートと券売状況をみて分析する」

「国の接触確認アプリ『COCOA』などのインストールに一定のインセンティブを付与する方法を模索している。球場内で使えるクーポンがいいのか、選手のサイングッズなのか。それによって観客の行動が変わるなら、野球だけでなくほかのイベントにも通用する」

――収容人数を増やすために重要なことは。

「最後の最後は、観客自身の判断や行動に頼らざるを得ない。今は大声をあげないことやマスク着用も当然のように取り組んでくれているが、人数が増えてもコントロールが効くのか。観客の協力が今後のエンターテインメントの未来を作っていくと考えている」

――来シーズンに向けて何に取り組みますか。

「コロナで今シーズンの来場をやめた観客にどうアプローチし、接点を持ち続けるかがテーマになる。1年間試合を見に行かないと、人の行動は変わる。行けるようになったら行きたいと思わせるコンテンツの魅力を考え、オンライン系の施策も強化する。球場に行くことだけが答えではない世界になってくる」

(聞き手は浦崎唯美子)

横浜スタジアムでの実証実験 30日から11月1日までの3日間、横浜DeNAベイスターズ対阪神の3連戦で実施する。球場の収容人員は販売しない席を除く約3万2000人で、動員目標は初日が80%で、最終日には100%をめざす。神奈川県のほかNECやLINE、KDDIなどが協力し、カメラ映像や位置情報を活用して観客の動きやマスク着用率などを把握・分析し、今後の対策に役立てる。

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