日立、21年度中に社内押印廃止へ 在宅勤務に対応
日立製作所は26日、2021年度中に社内の押印業務を全面的に廃止すると発表した。10月から日立グループで提供している電子署名サービスを営業や調達業務で使い始めた。社外向けの押印業務も電子申請化を推進する。出社要因の1つとなっていた押印業務を減らし、在宅勤務の活用を標準とする新常態(ニューノーマル)における新たな働き方を推進する。
押印の業務プロセスの見直しと併せて、インターネットを活用して申請や承認、決裁業務を電子化する。社外向けの押印業務についても関係者と調整し電子申請化を進める。日立は21年4月から週に2~3日の出社でも効率的に働けるよう人事制度を見直している。押印業務を減らすことで在宅勤務を活用しやすい環境に整える。
従業員が業務内容に応じて勤務場所を選びやすくするため、本来のオフィスとサテライトオフィス、在宅勤務のそれぞれで実施する業務を明確にする。本来のオフィスではフリーアドレス制などによるスペースの効率化に加え、物理的な空間で従業員同士が集まれる会話スペースの拡充や、ビデオ会議用のブースを設置する。
在宅勤務の増加に戸惑う管理職に向けた研修も実施する。リモート環境でも部下との円滑な対話や業務管理ができるよう、10月から本社の管理職8000人を含めグループ各社でマネジメント研修を順次始めた。リモート環境での業務効率化に向けて、21年1月から業務用のパソコンを新規導入する。
社内のペーパーレス推進プロジェクトも立ち上げ、上場子会社を除くグループ全体の国内における年間の紙消費量を約7割削減する。19年度に7億枚だった紙の消費量を約2億枚に減らす。