外国人への学習支援好評 児童生徒に日本語、愛知県

日本語指導が必要な外国籍の児童生徒数が全国最多の愛知県で、外国人らを対象にした県の学習支援事業が好評だ。4年目に入って対象地域も広がり、受講者が増え続けている。日本語学習だけでなく、必要に応じて就労や福祉、多文化共生の各支援団体を紹介することでネットワークづくりにも役立てている。
県が実施するのは「若者・外国人未来応援事業」。文部科学省によると、愛知県は日本語指導を必要とする外国籍の児童生徒数が9100人(2018年度調査)で全国最多。読み書きを重視し、教科の学習もサポートすることで、会話に重きを置く地域の日本語教室と違いを出している。
日本語の学習支援は当初、名古屋市内だけだったが、特にニーズが高い豊田市、豊橋市も対象に加えた。豊田市の会場で勉強していた日系ブラジル人の男子高校生(16)は3年前から友人と一緒に週1回、通う。「家族とはポルトガル語で会話するので学校の日本語は難しい。ここでは一人一人に分かりやすく説明してくれる」と話す。
同会場担当の市青少年センターの鈴木光行副所長は「外国人生徒の場合、授業についていけない原因を突き詰めると、日本語の知識不足ということが多い」と指摘する。
事業では就職やキャリアアップのため、日本人と外国人の高校中退者らを対象に、高卒認定試験の受験勉強も指導する。週1、2回、2~4時間の枠があり、時間内であればいつ来てもよい。強制しないのも特徴で、本年度は9月までに延べ959人が参加した。
19年度には「支援員が勉強以外にも相談に乗ってくれ、諦めずに通えた」「勉強が楽しくなり、この場所に来てよかった」といった声が寄せられた。事業は17年度に始まり7地域まで拡大。22年度までにさらに2地域を追加する予定だ。
〔共同〕