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首相の初演説「改革前面」に 小泉氏と共通点も

衆院本会議で所信表明演説をする菅首相(26日午後)

菅義偉首相は26日の所信表明演説で、デジタル庁設立や携帯電話料金の引き下げを挙げて改革姿勢を前面に出した。歴代首相の国会での初演説は政権の重点政策やカラーを映す。「行政の縦割り、既得権益、あしき前例主義の打破」を掲げた菅政権の姿は小泉純一郎政権と重なるとの指摘もある。

首相は演説で「国民のために働く内閣」を強調し「アベノミクスを継承し、さらなる改革を進める」と述べた。新型コロナウイルス禍で遅れが露呈した行政のデジタル化推進など「規制改革を全力で進める」と唱えた。

小泉氏の場合、2001年5月の所信表明演説で「構造改革なくして日本の再生と発展はない」と呼びかけた。「聖域なき構造改革に取り組む『改革断行内閣』」とも称した。

改革に向けて「痛みを恐れず、既得権益の壁にひるまず、過去の経験にとらわれず」との姿勢も菅政権に通じる。

具体的な改革分野を挙げた点も共通するが、分野には独自色が出る。小泉氏は郵政民営化や不良債権処理などの分野に力を込めた。

首相は今回、行政のデジタル化や規制改革を通じた経済成長、温暖化対策、不妊治療対応などに言及した。「できるものからすぐに着手し、結果を出して成果を実感いただきたい」と語った。1年以内にある次期衆院選に向け実績づくりを急ぐ思惑が透ける。

所信表明演説でマクロ経済政策に重きを置いたのは第2次安倍政権発足時の安倍晋三氏や08年の麻生太郎氏だ。

安倍氏は13年1月の演説で、政権交代を機に、11年の東日本大震災などで落ち込んだ経済を改善する決意を示した。

自らの経済政策「アベノミクス」について「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略という『3本の矢』で経済再生を推し進める」と言明した。

デフレ脱却に向けて「政府と日銀の一層の緊密な連携」を打ち出し、2%の物価上昇率目標の早期実現をうたった。

麻生氏は08年9月の演説で「日本経済は全治3年」と位置づけ、減税など景気対策を最優先にすると明らかにした。リーマン・ショックの発生直後だったため「必要に応じ、更なる対応も弾力的に行う」とも話した。

金融危機対応が最大の政治課題で「金融国会」と呼ばれた1998年7月召集の臨時国会で首相になったのが小渕恵三氏だ。「経済再生内閣」として「一両年のうちに経済を回復軌道に乗せる」と期限を区切って宣言した。

当時の国会での与野党の勢力も演説内容に影響する。2007年参院選で自民党が敗れ、参院で野党多数の「ねじれ国会」を招いた状態で首相に就いた福田康夫氏は低姿勢が目立った。

福田氏は同年10月の所信表明演説で「野党の皆様と重要な政策課題について、誠意をもって話し合う」と訴えた。当時、自民、民主両党の「大連立構想」が浮かぶなど野党との協調を探ったが政権運営が行き詰まり、翌08年に辞任した。

その後を継いだ麻生氏は野党との対決姿勢を鮮明にした。民主党を「政局を第一義とし、国民の生活を第二義、第三義とする姿勢」と批判した。

当時、麻生氏が就任直後の衆院解散・総選挙の可能性を考えていたことが背景にある。その後、リーマン・ショックへの対応を優先して衆院解散を先延ばしし、09年衆院選で大敗して下野した。

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