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ヤン・イクチュン監督主演「詩人の恋」同性との愛描く

父との確執を抱えた男を描いた「息もできない」(2008年)に主演・監督した韓国の映画監督ヤン・イクチュンは、同作の大ヒットで世界が注目する存在になった。ハードな役どころから一変し、ふっくらした体形に肉体改造して夢見がちな売れない詩人にふんしたのが「詩人の恋」(11月13日公開)だ。

メガホンをとったのは旧知の女性監督キム・ヤンヒ。「詩人はのんびりしていて、愛らしく純粋な役柄。それに当てはまるのが素顔のヤン監督だった。『息もできない』のヒットで、強いキャラクターと思われている彼のイメージを覆したい思いもあった」とキム監督は語る。

舞台は自然豊かな韓国南部の済州島。スランプに陥った売れない詩人の夫(ヤン)を妻(チョン・ヘジン)が土産物店の経営で支えている。子どもが欲しい妻は「妊活」に躍起だが、詩人は近所のドーナツ店で働いている訳ありの青年(チョン・ガラム)が気になる。

キム監督はソウルから済州島に移住した経験を持つ。現地ではクマのような風貌で素朴な人柄の詩人ヒョン・テクフン氏としっかり者の妻と知り合った。「地方で穏やかに暮らす詩人が激しい愛を知ったら人生はどうなるのか。しかもその相手が男性だったら。次々に想像が膨らんだ」と脚本も執筆したキム監督は語る。

同性との愛情関係については、ヤン監督の助言が印象深いという。「『ずっと記憶の中に残る人、ずっと気になる人こそが愛する人だ』と。新鮮な考えを示してくれた」と振り返る。主人公の詩人は妻からあけすけに子づくりを迫られたり、幼なじみから「早く父親になれ」と説教されたりする。

子づくりへの社会的圧力を受ける男性の物語でもある。「地方だとうわさ話さえすぐに皆が知る。都会よりさらに社会的プレッシャーは大きいと思う。映画では正しさや誤りを描くのではなく、プレッシャーを感じている人がいるということをキャラクターを通して伝えたつもり」。

1977年生まれのキム監督はこれが長編デビュー作。3年かけて次作の脚本を書き上げており、制作を今後本格化させるという。

(関原のり子)

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