タイ反体制派、首相辞任拒否でデモ再開 独大使館へ行進も計画

東南アジア
2020/10/25 19:00
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【バンコク=村松洋兵】タイの反体制デモ隊は25日、首都バンコクの中心部で集会を開いた。デモ隊は24日午後10時(日本時間25日午前0時)までにプラユット首相が辞任するよう求めたが拒否され、大規模な抗議活動を再開した。今後もデモを計画しており、収束の兆しは見えない。

25日、バンコク中心部に集まった反体制デモ隊

大型商業施設が集まり、在留邦人も多く訪れるラチャプラソン交差点でデモを実施した。バンコク中心部で反体制派の集会が開かれるのは4日ぶりだ。デモ隊は21日にプラユット氏に対して「3日以内の辞任」を要求し、受け入れない場合は抗議活動をエスカレートすると警告していた。

デモ隊は26日もバンコクのドイツ大使館までの行進を計画する。ワチラロンコン国王はドイツでの滞在が多く、国王がドイツからタイの国事行為を執り行うことなどが問題視されている。ドイツ大使館をデモに巻き込み、王室が抱える問題を国際社会にアピールする狙いがあるとみられる。

タイ政府は15日にバンコクに発令した非常事態宣言に基づく集会禁止措置を22日に解除し、デモ隊に譲歩する姿勢を見せた。デモ隊は政府の対応は不十分とし、プラユット氏辞任とデモ隊の逮捕者全員の釈放を求め、デモを活発化している。

政府はデモへの対応を協議するため26、27の両日に閉会中の国会を臨時に開く。デモ隊の要求の一つである憲法改正についても話し合う見込みだ。現行憲法は軍事政権下の2017年に制定された。軍政の流れをくむ現政権の権力維持に有利な議会制度を定めており、反体制派は民主的でないと批判している。

デモ隊は国王の権限縮小など王室改革も引き続き要求している。23日にはワチラロンコン国王のデモに関する言及が初めて伝わった。国王は王宮前で待っていた王室支持者に会い「とても勇敢だ。とても素晴らしい。ありがとう」と話しかけた。この支持者は数日前に反体制デモの会場で王室の肖像写真を掲げ、王室改革を求めるデモ隊に抗議の意を示していた。

国王が国民に直接話しかけ、発言内容が伝わるのは異例だ。国王が王室支持派に対して、反体制派に対抗するようにメッセージを出したとの見方が出ている。

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